...“たいへん軽い缶詰”――そんなことは今まで想像したこともなかった...
海野十三 「地獄の使者」
...しかし、けさ夜明けから、また捜索をはじめさせているのですが、今までのところ、なんの発見もありません...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...今まで自分のひそんでいた長椅子の内部のうつろの中へ入れて...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...今までいた筈(はず)の妙子が見えず...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今までにない大きさである...
種田山頭火 「行乞記」
...そこで今までまつすぐに来た道路は斜めに屈折して...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...今まで明るみから匿されていた自然の事物の諸規定は次第に明るみの前へ持ち出される...
戸坂潤 「科学方法論」
...もしそうでなければ今まで述べられたことは一つの砂上の楼閣であったかも知れない...
戸坂潤 「科学方法論」
...それは今まで云って来た処に関する限り...
戸坂潤 「思想としての文学」
...わたしは今まで存じませんでした」「いいえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう今まで通り啀(いが)み合う機会も滅多(めった)にあるまい...
夏目漱石 「行人」
...御母さんが嫁がいたらいたらと云うのを今まで誤解して全く自分の淋しいのをまぎらすためとばかり解釈していたのは余の眼識の足らなかったところだ...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...今までのところ期待以上の成功を收めてるやうだ...
野上豐一郎 「キフホイザー」
...何かの機会に今まで聴かなかった小地名を耳にした時...
柳田國男 「地名の研究」
...母は殺されたのではないか――母は殺されたのだ――そう思うと今まで夢のように思っていたいろいろの謎が少しずつ解けるように思われる...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...今までは余りに恥かしい事ばかりなので御報告を躊躇(ちゅうちょ)しておったのですが……否……今日まで貴下と何等の御打合わせも出来なかったのが矢張(やは)り...
夢野久作 「少女地獄」
...今までに色々な形式の探偵小説が...
夢野久作 「探偵小説の正体」
...また御再考もあらばと――実は今の今まで...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索