...今までにもどんなに頼んだか知れないのに...
泉鏡花 「婦系図」
...ジミィは今までの金庫破りの自己記録を破る早さで...
オー・ヘンリ O. Henry 大久保ゆう訳 「罪と覚悟」
...今まで誰にも盗まれずにゐたなんて...
薄田泣菫 「独楽園」
...この二三日は今まで知らないものを知った...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...今までの静謐(せいひつ)とは打って変わって...
田山花袋 「田舎教師」
...今までのかの女の心持のやうな氣分ではゐられないやうな氣がした...
田山花袋 「道綱の母」
...今までの母親の仕打ちからいったならば...
近松秋江 「霜凍る宵」
...今まで幾度となく人間の死を見てゐるので...
徳田秋聲 「和解」
...今まで何をして来たともわからぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...だが、お雪ちゃん、しっかりしなくちゃいけねえぜ」「何をでございます、先生」「何をったって、お前さん、見かけによらねえ白無垢鉄火(しろむくてっか)だ」「何でございますか、それは」「お前は、今まで、鎌をかけかけ、この道庵から絞り出そうとたくむ敵は本能寺にあることがよくわかった、全く小娘と小袋は油断ができねえ――」「いいえ、なにもわたしは、たくんで先生から物事を承ろうとも致しません」「致さないことがあるものか、お雪ちゃん、お前は、さいぜんから、この酔っぱらいを、舌の先で遠廻しに操(あやつ)って、この道庵の慈姑頭(くわいあたま)から絞り出そうという知恵は、つまり子をおろす方法と、それから子種を流すにいい薬でもあったら、それをたぐり出そうとこういう策略なんだ、わかった、全く油断ができねえ、お雪ちゃん、お前という女は雪のように白い女だか、もう泥のように真黒くなっているんだか、そこんところを、これから拙者が見届けて、それからの挨拶だ、人間というやつは、うっかり信用すると一杯食わせられる」「まあ、ひどい――先生は何というヒドイ邪推をなさるお方でしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...今までにこれだけの金を持ったことがない...
中里介山 「大菩薩峠」
...今までこれほど疲れたことはなかった...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...今まで悟りと思うて居たことが...
正岡子規 「病牀苦語」
...今までこんな天気模様を見た覚えがない...
武者金吉 「地震なまず」
...ちっとも分らぬままで今までは過ぎてきたのである...
柳田国男 「雪国の春」
...お婆さんは不意に今まで大切に抱えていた果物の籠を...
夢野久作 「白髪小僧」
...私は私の感じていた今までの虚無に顔が赧らんで来るのを覚える...
横光利一 「欧洲紀行」
...今までの荒蕪な河原は...
吉川英治 「折々の記」
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