...一度溝にはまつて全身水に漬つては戰士が傷ついて血を見たにも等しいものか...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...水に漬つた一切の物未だに手の著け樣がない...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...赤い/\花の咲きつゞいた甘い日向の中に漬つたやうな氣分になつて來る...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...戀しい晝と夜(よる)とに漬つてゐたけれど...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...何事につけても前途にのみ希望を繋いだ心の張りを持つて悠悠と此の温泉に漬つてゐたことを私は稍々古い昔の事のやうに思ひ出すのである...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...其の日浴場に行つて見るとちやんと此の宿の湯風呂の中に首だけ出して漬つてゐた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...同じ方を見詰めて静かにぢつと漬つてゐた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...かと思ふと又湯壺の中に漬つて極めて悠長に手足を伸ばしてゐた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...其れから大分熱くなつた湯に漬つた時其の男はそのかさ/\した皮膚を真赤にしてゐた...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...池に漬つて腐るのは...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...裸体の少年がすつぽり頭まで水に漬つて死んでゐたが...
原民喜 「夏の花」
...水槽の中に折重なつて漬つてゐる十あまりの死体もあつた...
原民喜 「夏の花」
...黒三稜(みくり)の重なる沼沢に漬つた凶時よ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...彼の父は逃げ遲れて一晩ぢゆう川の中に漬つてゐたのだつた...
堀辰雄 「顏」
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