...通信で仄かにそれと察してはゐたのであるが...
石川三四郎 「浪」
...闇に仄かに匂うてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...仄かに胸を爽(さわや)かにする...
石川啄木 「天鵞絨」
...仄かに廿日あまりの月が昇つて...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...頭から仄かに湯気を立てることがある...
豊島与志雄 「自由人」
...仄かに漂い出してくる...
豊島与志雄 「蓮」
...もう朝夕は仄かに秋の気が感ぜられるような季節で...
豊島与志雄 「水甕」
...月の光りに仄かに見えました...
豊島与志雄 「水甕」
...禿山の頂近くには一筋の土手のやうなものが仄かに見える...
長塚節 「才丸行き」
...能く見ると胸には仄かに白い紋が二つ浮んで居る...
長塚節 「菜の花」
...薄暮である夕月の仄かに匂ふところで...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...自分の顏には相當の自信を持つてゐるやうな逆モーシヨンの讚めかたも仄かにうかがへて...
林芙美子 「婚期」
...薄暗い土蔵の小さな窓から仄かに見えてゐた杏の花...
原民喜 「画集」
...遥かかなたの空に仄かに見える...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...そのうちに錦木の紅は黒く消えてしまつて萩もみぢの黄色のみが仄かに浮き出して来るのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...二本マストの檣頭燈と緑と赤のサイド・ランプが星の瞬きのように仄かに見えていた...
牧逸馬 「運命のSOS」
...そして現在だつて面白いことがあるといふ意味を仄かに知らせるつもりだつた...
牧野信一 「渚」
...蝎座の一端から仄かに流れ出てゐる銀河が北方の空高く竜巻山の上に翼を拡げる白鳥座を貫いて...
牧野信一 「夜見の巻」
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