...通信で仄かにそれと察してはゐたのであるが...
石川三四郎 「浪」
...雪燈(ぼんぼり)は仄かに玉のごとき頸(うなじ)を照らした...
泉鏡花 「婦系図」
...仄かに廿日あまりの月が昇つて...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...楠の樹の若葉仄かに香ににほひ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...禿山の頂近くには一筋の土手のやうなものが仄かに見える...
長塚節 「才丸行き」
...能く見ると胸には仄かに白い紋が二つ浮んで居る...
長塚節 「菜の花」
...自分の顏には相當の自信を持つてゐるやうな逆モーシヨンの讚めかたも仄かにうかがへて...
林芙美子 「婚期」
...仄かに残るものは...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...ガラス壁の側にあるテーブルに白い紙のやうなものが仄かに見える...
原民喜 「魔のひととき」
...暖かい夜の大気のなかで仄かに揺曳する...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...二本マストの檣頭燈と緑と赤のサイド・ランプが星の瞬きのように仄かに見えていた...
牧逸馬 「運命のSOS」
...メイ子の微笑が仄かに感ぜられて...
牧野信一 「武者窓日記」
...でもこの巧緻なる日本通の画伯の点燈夫の図に蝙蝠の飛揚丈けは見られなかつたやういま仄かに記憶するが...
正岡容 「旧東京と蝙蝠」
...縁に近い座席には昼間掘返された垣根の土が仄かに匂ひ漂つてくる...
正岡容 「山の手歳事記」
...彼の女は胸の中で「私達はもう恋を仄かに感じ合っているのだ...
松永延造 「職工と微笑」
...薄藤色の桜草はやや疲れ仄かに花脈をうき立たせ乍らも心を蕩す優しさで薫りを撒く...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...どこかのお寺で鐘をついているのが仄かにきこえます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...草深きなかに訪ねし夢跡の寒きかなしさ朽ち柵に倚れば仄かに胸にしむ旅のうれひよ緑濃きなかに見出でし人の世のさぶしさ夢を皆遠く流せし北上が瞳にしみる...
森川義信 「高館」
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