...仄(ほんの)りと上気してゐた...
石川啄木 「鳥影」
...ブラウントの仄めかしたクウ・デタの一言が...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...仄聞(そくぶん)することがあるのである...
太宰治 「虚構の春」
...電気行燈(あんどん)の仄(ほの)かな光りのなかで...
徳田秋声 「仮装人物」
...仄かな香を漂わしてるのを...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...向側の入口らしい仄明りが見えて来た...
原民喜 「死のなかの風景」
...山梨とか信州とかの奥で矯正労働をさせられているということをそれとなく仄めかした...
久生十蘭 「ノア」
...木の間がくれにルバーシュカが仄白く見えてゐる……...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...メイ子の微笑が仄かに感ぜられて...
牧野信一 「武者窓日記」
...仄々とした喜びに...
正岡容 「小説 圓朝」
...歌はぬ者ならば何しに字数平仄(ひょうそく)を合すべき...
正岡子規 「人々に答ふ」
...コロラチュラ・ソプラノの咽喉のきかせどころの詠唱「仄かなる声」を立派にうたったそうです...
三浦環 「お蝶夫人」
...しかもそれを信じなければ置かない固い決心を仄めかしてゐるのを見た...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...仄暗(ほのぐら)い行燈の光の下にうつらうつらまどろんでいる病床の妻の窶(やつ)れはてた寝顔を見ては...
山本周五郎 「日本婦道記」
...刑部とまちがえちゃ困るぜ」――お袖はもう仄暗(ほのぐら)い門口にいなかった...
吉川英治 「大岡越前」
...――仄(ほの)かに聞き知る御性質と...
吉川英治 「新書太閤記」
...先に仄めかしたように...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...ほとんどの場合は最初の精神交換まで遡る仄暗い夢のような空白があるだけだった...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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