...人里離れたこの山上にはことに趣が深かった...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...この人里離れた処では乗物などの便宜のないというわかり切ったことがむやみに心細くなりだした...
伊藤野枝 「転機」
...その上にマッチ一つ買うにも、二里近くの道をゆかなければならないような、人里離れた処で、彼等の小屋の中は、まっすぐに立って歩くこともできないような窮屈な不完全なものであった...
伊藤野枝 「転機」
...それは他でもない相模や紀州の海岸で、人里離れた、眺望のいゝ山を買込んで、自分の別荘地としておくのだ...
薄田泣菫 「茶話」
...――句意はその淋(さび)しい人里離れた山に行って花見をしていると...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...こんな人里離れた山沿いの淋(さび)しい海岸に...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...ここばかりは人里離れた仙境のように閑寂であり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...こんな人里離れたところにいて...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...人里離れた場所ではあるが...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...人里離れたところや...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...この人里離れた邸内に人間の形をして住んでをり...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...国王を人里離れた所へ運び...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...たぶん六ヶ月間ぐらいどこか人里離れた場所に姿を隠し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...こうして人里離れた所に来ていると...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...人里離れた二、三の場所に、その姿を見かけることがあるだけです...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...少年のころは人里離れた森へなど往くのは...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...そんな人里離れた平地にも...
J. S. レ・ファニュ J.S.Le Fanu The Creative CAT 訳 「ドラムガニョールの白い猫」
...そしてそうした人里離れた場所であるだけその若者たちの被解放感は他の温泉場に於けるより一層甚だしく...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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