...人込みの中で見失つたか逃げる人の足で踏み潰されたか分らない其の子を尋ねて...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...人込みの中へ現れる筈はありませんからね」三谷青年は...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...懐手(ふところで)して人込みにもまれをり懐手して洛陽(らくよう)の市にあり懐手して俳諧の徒輩たり懐手して論難に対しをり懐手して宰相の器(うつわ)たり左手は無きが如くに懐手十二月二十六日 丸之内倶楽部俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...人込みや楽隊の響きに怯(おじ)けて...
徳田秋声 「足迹」
...瘟気(いきれ)のする人込みのなかを歩いているお庄の猥(みだ)らなような顔が...
徳田秋声 「足迹」
...大勢の人込みを避け...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人込みの中に立ち迷っていました...
豊島与志雄 「沼のほとり」
...混雑と騒ぎと人込みと薄暗さとまただれも自分に注意を向けていない瞬間とに乗じて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...たとえ如何なる人込みの中でも...
豊島与志雄 「別れの辞」
...人込みの中へ消えてしまった...
直木三十五 「南国太平記」
...そのまゝふらりと人込みにまぎれて門を出て...
永井荷風 「畦道」
...人込みのなかではぐれちやいかねえぞ...
長塚節 「月見の夕」
...人込みに切符を買う時...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...人込みの中におし分けてはいるのであつた...
長谷健 「天草の春」
...彼は急に身を飜すと人込みの中に混り込んだ...
北條民雄 「道化芝居」
...再びプラットフォームの人込みの中を一種異様な感情を味いながら抜けて行った...
堀辰雄 「菜穂子」
...女中に手を曳(ひ)かれて人込みにおどおどしながら町の片端を平生の服装(みなり)で賑わいを見物するお屋敷の子は...
水上滝太郎 「山の手の子」
...人込みのなかに揉まれつつ君とともに身搾(みすぼ)らしく歩みたる時と既に人の世の父たることを思ひぼんやりとまなこ潤みいくたび寂しげにその包みを抱き換へしことぞ...
室生犀星 「忘春詩集」
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