...そこには印度人の婆さんがたつた一人立つてゐるばかり...
芥川龍之介 「アグニの神」
...過日(こなひだ)橋の上に貴女と二人立つてゐた方ですね...
石川啄木 「鳥影」
...その窓口と龍子のはいつてゐる箱の間の狭い通路に部長が一人立つてゐた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...覗いてみると皺くちやな坊さんが一人立つてゐて...
薄田泣菫 「茶話」
...齢(とし)を取つた黒ん坊の爺(おやぢ)さんが一人立つてゐて...
薄田泣菫 「茶話」
...立派な外套を被(はお)つた四十がらみの紳士がたつた一人立つてゐて...
薄田泣菫 「中宮寺の春」
...皆んなから何か質問されるわが子は横肥りの小さな躯で眞中に一人立つて小さい手をひろげて小供を見上げて何か告げて居る小供等は好奇心と親切を露骨に示しメンコを彼に分けてくれる...
千家元麿 「自分は見た」
...われ一人きくそのしらべわれ一人立つ庭のすみ...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...ついにその周囲へ一人立ち二人立つような有様になった時に気がついて...
中里介山 「大菩薩峠」
...白い上衣のボーイが一人立つてゐて...
中原中也 「夜汽車の食堂」
...足を乗する地もなく冷瓏(れいろう)虚無の真中(まなか)に一人立つ...
夏目漱石 「幻影の盾」
...往来で空を眺めていると二人立ち三人立つのは訳はなくやる...
夏目漱石 「模倣と独立」
...これと相対して五六間の間隔をとってまた一人立つ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...フト見ると路地の中にお菊がたつた一人立つて居るぢやございませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...自分のそばに濠洲兵が一人立つてゐた...
林芙美子 「瀑布」
...すぐそこの角に變な人が二人立つています...
三好十郎 「肌の匂い」
...しかし幸いにも付近の四ツ角に警官が一人立つているのを見出しましたので...
森律子 「三度會つた巡査」
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