...その道の権威者を煩わして最善をつくすことに人知れぬ苦心をしたのである...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...そこに人知れぬ悲劇もあると言わねばなりません...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...此処に来るといふあてがなければ――その遠いハルピンに行けばあの時子(ときこ)に逢へるといふ人知れぬ秘密の希望を持つてゐなければ...
田山録弥 「時子」
...それらの平穏な家の中に人知れぬ悲劇は潜んでいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...また彼女の肉体の人知れぬどよめきを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そのころはまだ人知れぬ深いところで熟成しながらぐっすりと眠りこけている時期だったので...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...人知れぬ満足を感じているわけで...
久生十蘭 「春雪」
...失はれた樂園に對する人知れぬ切(せつ)ない未練を持つてゐる私と同じくそれを見出してはゐないのだと思つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...日々人知れぬ幸福を...
正岡容 「小説 圓朝」
...而も其の心は人知れぬ悲痛に惱まされてゐた...
三島霜川 「解剖室」
...たとへ私の心になにか人知れぬ名誉があるやうでほろりとしてもいいえ私は悲しくない...
三好達治 「測量船拾遺」
...源氏は頭の弁の言葉を思うと人知れぬ昔の秘密も恐ろしくて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人知れぬ涙が私の眼ににじんでくる...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...人知れぬ密林の切磋琢磨(せっさたくま)に剣の妙髄(みょうずい)を工夫し...
吉川英治 「剣難女難」
...しかも人知れぬ天下への野望なのである...
吉川英治 「私本太平記」
...若年から人知れぬ鬱積(うっせき)があるらしく...
吉川英治 「私本太平記」
...夫人がいかに世の批判と家庭のあいだに立って人知れぬ苦悩をしたかは...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼は人知れぬ焦躁(しょうそう)をもって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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