...どこか人知れぬ場所へ運びさり...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...十一年の年月病身の舅にかしずいて来た人知れぬ労苦も...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その花だけでもつかまえ得たことに人知れぬ喜びを感じている次第である...
寺田寅彦 「沓掛より」
...それでもそうする事自身に人知れぬ興味はあった...
寺田寅彦 「二十四年前」
...ジューシエの生活の人知れぬ悲劇を見てとった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...影のうちに一歩一歩身をまもる執拗(しつよう)な人知れぬ勇気があるものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いつでも捕えられて人知れぬ徳行の世界から公然たる恥辱の白日のうちに引き出されんとする身の上であり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...苦しき胸の悶(もだえ)を人知れぬ方(かた)へ洩(も)らさんとするなり...
夏目漱石 「薤露行」
...人知れぬ苦い涙を...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...そのころはまだ人知れぬ深いところで熟成しながらぐっすりと眠りこけている時期だったので...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...小原の生活の裏にもやはり人知れぬ辛さがあるのだろう...
久生十蘭 「復活祭」
...人知れぬ思ひを抱くものは...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...人知れぬ虚空に飛び散るばかりなのである...
牧野信一 「鬼の門」
...全くこっそりと起る人知れぬこんな心は...
横光利一 「旅愁」
...人知れぬ誓いに固められていた...
吉川英治 「三国志」
...人知れぬ楽しみもある」黙々三年の間...
吉川英治 「平の将門」
...人知れぬ大きな楽しみでもあり...
吉川英治 「源頼朝」
...歩くならば月竝(つきなみ)な東海道を歩くよりこの人知れぬ廢道を行つた方がよからうと云ふ兩人の間の相談からではあつたが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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