...ただ人知れぬ方法とその結果に興味を持ってやった仕事ですから...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...しかし貞淑な夫人の数々の人知れぬ心遣いは...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...ずいぶん割の悪い人知れぬ苦心をしたものであった...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...しかしまた人知れぬ反撥心(はんぱつしん)もあって...
徳田秋声 「仮装人物」
...人知れぬ工夫がされた...
原民喜 「酸漿」
...たいした身振りもせずに帰って行ってしまった日本人……人知れぬところで酸苦をなめ...
久生十蘭 「南極記」
...「人知れぬかくれた著想の微妙」なことを挙げてゐるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...失はれた樂園に對する人知れぬ切(せつ)ない未練を持つてゐる私と同じくそれを見出してはゐないのだと思つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...海没都市見よ! 死の佇んでいる玉座をそこは人知れぬひそやかな都市霞なる西方の深い窪地にあり善人悪人聖人極悪人みな永遠の眠りについている...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...どれくらい人知れぬ煩悶を重ねたことでしょう...
宮本百合子 「行く可き処に行き着いたのです」
...人知れぬ幾多の苦心を費したものである...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...人知れぬ精魂を空費して来たか...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...心の貞節や人知れぬ涙を決して人に見せまいとする悩みから湧くこの世の淋しさが...
夢野久作 「鼻の表現」
...何か人知れぬ魅力があるのかも知れません...
吉川英治 「江戸三国志」
...人知れぬ不快と苦痛だったにちがいない...
吉川英治 「新書太閤記」
...人知れぬ嘆息(といき)をついて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...ぼくは自分の文芸的見地からその空白を埋める仕事に人知れぬ愉しみをいま抱いている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...人知れぬ「聟(むこ)とり」の支度をしておくだに...
吉川英治 「日本名婦伝」
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