...その道の権威者を煩わして最善をつくすことに人知れぬ苦心をしたのである...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...ずいぶん割の悪い人知れぬ苦心をしたものであった...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...人知れぬ深い祈り...
太宰治 「二十世紀旗手」
...この頃もよく人知れぬ憂さを紛らすために弾(ひ)いているのが耳にあるせいか...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その花だけでもつかまえ得たことに人知れぬ喜びを感じている次第である...
寺田寅彦 「沓掛より」
...しかしまた人知れぬ反撥心(はんぱつしん)もあって...
徳田秋声 「仮装人物」
...人知れぬ自分の瞑想(めいそう)を墳墓のうちに持ってゆく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人知れぬ献身のうちにひそかに焦慮している...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...また自分の不分明な性質についての人知れぬ考えを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ごく古い人種に固有な人知れぬ不平衡の徴候たる...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...海没都市見よ! 死の佇んでいる玉座をそこは人知れぬひそやかな都市霞なる西方の深い窪地にあり善人悪人聖人極悪人みな永遠の眠りについている...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...人知れぬ虚空に飛び散るばかりなのである...
牧野信一 「鬼の門」
...相当これで人知れぬ苦労が多かつたらうからな!」と云つて...
牧野信一 「鏡地獄」
...この寺の見るかげもなく貧しくなり果ててしまつた黄楊垣に人知れぬ愛情をば注いでゐた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...人知れぬ恋を持つ点で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どこかに必ず人知れぬ多忙さがあるものだが...
横光利一 「旅愁」
...人知れぬ不快と苦痛だったにちがいない...
吉川英治 「新書太閤記」
...人知れぬ「聟(むこ)とり」の支度をしておくだに...
吉川英治 「日本名婦伝」
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