...俺(わ)しは今日の策戦には人知れぬ苦労をした...
有島武郎 「親子」
...探偵というものはいろいろ人知れぬ苦労をするものですよ」川手氏は益々あっけにとられてしまった...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...ましてお須美が人知れぬ泪を袖にこぼした事を御存じの筈がない...
竹久夢二 「秘密」
...内飜転(ないはんてん)を手術したとかいう自分の脚の人知れぬ正体であった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...人知れぬ時刻に食事することを...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...しかしまた人知れぬ反撥心(はんぱつしん)もあって...
徳田秋声 「仮装人物」
...人知れぬ自分の瞑想(めいそう)を墳墓のうちに持ってゆく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...疲弊した一身から起こってくる人知れぬ恐怖などは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人知れぬ長い血の歴史がある...
久生十蘭 「だいこん」
...人知れぬ悦楽(えつらく)のように思われてくるのだった...
堀辰雄 「美しい村」
...その生涯の何處かに人知れぬ涙の痕をにじませながらも...
堀辰雄 「若菜の卷など」
...たとへ私の心になにか人知れぬ名誉があるやうでほろりとしてもいいえ私は悲しくない...
三好達治 「測量船拾遺」
...源氏は頭の弁の言葉を思うと人知れぬ昔の秘密も恐ろしくて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...または人知れぬ腹立ちのために...
柳田国男 「山の人生」
...何か人知れぬ魅力があるのかも知れません...
吉川英治 「江戸三国志」
...人知れぬ誓いに固められていた...
吉川英治 「三国志」
...店を閉めたその晩の遅くから人知れぬまに...
吉川英治 「新・水滸伝」
...歩くならば月竝(つきなみ)な東海道を歩くよりこの人知れぬ廢道を行つた方がよからうと云ふ兩人の間の相談からではあつたが...
若山牧水 「樹木とその葉」
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