...公の場所でキスをしたり(人前で夫が妻を接吻することさえも)その他いろいろなことをすることは...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...人前では、さも利口そうに緊張している表情が、一人切りになると、まるで弛緩(しかん)してしまって、恐しいほど相好(そうごう)の変るものです...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...15.この外科醫の助手たらんことを欲するものは自身既に一人前でなければならぬ147【3】改變そのものを公に許すといふ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...自然科学者も決して科学的精神に於て一人前であるとは保証出来ないのだから...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...人前でも平気で、小指で耳垢をほじくったり、人差指で鼻糞をほじくったりします...
豊島与志雄 「男ぎらい」
...山の通人は、出来星の博士が、小学校生徒に教えるような態度で、見おろしかげんに、「お雪さん、あなたはこの間の手紙に、ツガザクラの下を歩いたように書いて出したそうですが、あんなことを書くと、笑われますよ」「わたし、そんなことを書きましたか知ら?」「は、は、あなたは、ツガザクラという植物を知らないのでしょう」「ええ」「あれは高さ四五寸の、灌木(かんぼく)というものだ、四五寸の植物の下を人間が通れますか、生物知(なまものじり)を書くと笑われますよ」と言って山の通人が、ある晩のこと、炉辺に人が集まった時を見越して、わざとお雪ちゃんに向って、こんなことをいいましたから、お雪は真赤になって、「そうでしたか知ら?」自分は、そんなことを書いた覚えはないのに、この通人は、わざと人前で、聞えよがしに言うのは、ツマリ自分の知識のほどを、人に見せつけたいという根性が、ありありと見え透きましたから、一座の人も、何となく不愉快に感じましたが、お雪は強(し)いてそれを争おうともしませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...台所の仕事も二人前で済みましたけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...その老人の前だけではなく、どんなところでも、人前でうっかり、畜生谷なんていう言葉を出すものではない、ついついそれに言葉がわたった自分というものの嗜(たしな)みの浅いことを、一方(ひとかた)ならず慙(は)じもし、悔いもする心に責められました...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ以前から人前では廃(すた)った面になって...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時私は人前で辱(はづか)しめられたやうに感じて...
中戸川吉二 「イボタの虫」
...わしゃいつでも人前で恥ばかかんならん」またある時...
中村地平 「南方郵信」
...もうぼつぼつ一人前です...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...男つ振りは一人前ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人前でハッキリいえない商売は出来ないんだよ――ちゃんちゃらおかしいや! 人の生き口を閉(ふさ)ごうなんて――」彼女は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...私はまだ1/3人前です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...二十人前で百二十片ちょうど六斤ですね...
村井弦斎 「食道楽」
...三人前で足りないかもしれん...
村井弦斎 「食道楽」
...つまり我々が隠れてならば少しも恥ずかしがらずにすることをただ人前でだけあえてしないことを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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