...この大きな仕事を自分一人でなし遂げた伊能忠敬の功績はまことにすばらしいものであったと云(い)わなければなりますまい...
石原純 「伊能忠敬」
...人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう...
夏目漱石 「草枕」
...人でなしの三人に向って...
服部之総 「撥陵遠征隊」
...「あなたのあの人でなしの兄弟が馬から落ちればいいだけなのよ」「あー! 母さん」「ええ! 恐らく敵の不幸を願うことは罪なことだわね」老婦人は続けた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...あの冷酷な人でなしに...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...文枝さんを人でなしにしたのも...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...家を思わぬ人でなしと罵(ののし)られ...
福田英子 「妾の半生涯」
...人でなしの茉莉よ! かの女に就いて人々の云ふことは眞實なのだらうか? ……僕は遠くの方にかの女を眺める...
堀辰雄 「眠れる人」
...「君は人でなしか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...なほ悪人を指して「人でなし」などといふが如し...
正岡子規 「人々に答ふ」
...「何だと! 迷惑だと! 人でなし! てめえが...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「あの人は人でなしです...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「あんたの云うとおり、あたしはこうしなければならないからしているのよ、そのためには初めから自分の命を賭(か)けているの」とおしのはひそめた声でゆっくりと云った、「――でもね、世間からみれば、あたしのしていることはたいへんな罪で、人でなし、毒婦、鬼、なんと云われるかもしれないの」おまさの唇がひらき、小さな、白い、並びのいい歯が見えた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...――あの人でなしの六がだぜ」おのぶはふた息ばかり栄二を見ていて...
山本周五郎 「さぶ」
...けれども人でなしと佃煮とは無関係」「とにかくてんでんが...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...あの人でなしがあたしを枷(かせ)に...
山本周五郎 「ひとでなし」
...「人でなしの梅雪入道(ばいせつにゅうどう)!」「な...
吉川英治 「神州天馬侠」
...不忠不義の人でなしと...
吉川英治 「新書太閤記」
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