...おぬしに殺されそくなった、人でなしじゃよ...
芥川龍之介 「偸盗」
...それは人でなしに猫の大きなようなものであった...
田中貢太郎 「酒友」
...さぞせいせいするでしょうよ! この人でなし! (退場)スミルノーフ あの女...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...一体なんという女だ? (口真似をする)「この人でなし……その銅びかりのしたおでこへ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...二十三「こ、こ、こ、これ、何をしくさる」今度は徳兵衛が、吃(ども)り且ついらって、棺に向って飛びついた角之助をおさえ、「いまさら、お前が、それを並べんでも、わしも知っとる、皆様も御存じじゃ、この席で、それを並べ立てて何になる、生きている間は生きている間、死んだ者は死んだ者じゃ、たとえ生きている間は畜生であろうと、死んだ上は、相当のとむらいをしてやるのが礼儀じゃ、人情じゃ、それをお前は……」「いけません、おじさん、そ、そ、そんな礼儀や、人情は、この場では通りません、とむらいをしてやるならば、してやるようにして、それからなさい、こいつは、この人でなしの亡骸(なきがら)は、この家から引き出さにゃなりませぬ」「こ、これ、阿呆するな、ばかな真似(まね)をするな」「誰が何と言っても、わしが不承知じゃ、これは追い出さにゃ置かぬ」「理不尽な、それでは、わしが承知じゃ、わしが承知で、この葬式はする、お前の知ったことじゃない、お前こそ、この席から抛(ほう)り出してしまうぞ」「わしを、抛り出す、本当の人間の道を言うわしを、ここから抛り出して、人でなし、畜生の亡骸を、上壇でおとむらいなさる、面白い、それができるなら、おやりなさい」「できるとも、さあ、わりゃ、出てうせろ、出てうせろ」「わしを手込めになさったな、おぶちなさったな、おじさん、お前にも言い分がありますよ、お前だって、この死人が、人でなしが生きている時は、わしと一緒に、さんざんに悪口を言って、人間の皮をかぶった獣(けだもの)じゃとばかりおっしゃって、交際(つきあい)も、口きくこともせなんだじゃないか、それを何と思って、こんなに肝煎(きもいり)ぶりをなさるのは、たいがい様子が知れたものじゃ、お前はこの、川杉屋の身代が欲しくって、そうして、それで今更、取ってつけたような追従(ついしょう)をなさるのやろ」「何、何を言いやる、わしが川杉屋の身代が欲しいから、それでこの席を取持つ、阿呆もほどほどにしておきなされや、ほかの言い分とは違うぞや...
中里介山 「大菩薩峠」
...あれば人でなしの国へ行くばかりだ...
夏目漱石 「草枕」
...人でなしの三人に向って...
服部之総 「撥陵遠征隊」
...「あなたのあの人でなしの兄弟が馬から落ちればいいだけなのよ」「あー! 母さん」「ええ! 恐らく敵の不幸を願うことは罪なことだわね」老婦人は続けた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...この人でなしに彼女はこんなこと言えるかね...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...「まあ、この人でなしは、どこからそんな鼻なんか削(そ)ぎ取って来たのさ?」こう、細君はむきになって呶鳴(どな)りたてた...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...文枝さんを人でなしにしたのも...
平林初之輔 「探偵戯曲 仮面の男」
...出したけりゃ早う、夫婦共に出すがええ、人でなし...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...「おれは悪人だ」おれは不毛の、白痴の、人でなしだ...
山川方夫 「演技の果て」
...「あんたの云うとおり、あたしはこうしなければならないからしているのよ、そのためには初めから自分の命を賭(か)けているの」とおしのはひそめた声でゆっくりと云った、「――でもね、世間からみれば、あたしのしていることはたいへんな罪で、人でなし、毒婦、鬼、なんと云われるかもしれないの」おまさの唇がひらき、小さな、白い、並びのいい歯が見えた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...人でなしであると...
吉川英治 「新書太閤記」
...不忠不義の人でなしと...
吉川英治 「新書太閤記」
...不忠者の人でなしっ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...何時も『人でなしの希望』に...
蘭郁二郎 「鉄路」
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