...海に寄ったのは亭々(ていてい)として雲を凌(しの)ぎ...
泉鏡花 「瓜の涙」
...亭々(ていてい)たる喬木(きょうぼく)の林を切開いて近頃出来上がったばかりだそうであるが...
寺田寅彦 「雨の上高地」
...葉落ちて枯木亭々たり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...万人ひとしく仰ぐ亭々たる大杉となり...
永井隆 「この子を残して」
......
中島敦 「和歌でない歌」
...頭上には亭々たる椰子樹が大きく葉扇を動かしながら...
中島敦 「環礁」
...年老いた椰子(ヤシ)樹の列が青い昼の光の中に亭々と聳(そび)え立ち...
中島敦 「環礁」
...亭々たる枯木が、霧を吐き雲に呑まれる岩の峯、雪の峯と丈くらべをしている景色は、暮れかけて心せく山路でも、足を止めずにはおられまい...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...亭々とした樫(かし)だの柏(かしわ)だのエルムなどが...
中谷宇吉郎 「ウィネッカの秋」
...周囲は亭々たる蝦夷松(えぞまつ)と椴松(とどまつ)の林で...
中谷宇吉郎 「雪の話」
...首をうな垂れて變な恰好で」「床の中では無かつたのか」「床は直ぐ傍に敷いてありました」窓の外は亭々たる老松...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...亭々とした杉の大樹が...
林芙美子 「浮雲」
...千年近い屋久杉があの山中に亭々とそびえてゐるのだ...
林芙美子 「屋久島紀行」
...綾瀬の岸には亭々たる鐘紡の煙突...
久生十蘭 「魔都」
...亭々(ていてい)と聳える杉林の上は...
火野葦平 「糞尿譚」
...亭々は高く聳え立っている形容詞であるからこの亭の字を植物に対して用いたいというので...
牧野富太郎 「植物記」
...暮春は傍らの亭々たる梨の大木が青白い花を悩ましく咲かせ...
正岡容 「根津遊草」
...今はとにかく亭々(ていてい)として茂り栄え...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
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