...假令一二の些末なる點に於いて猶訂正すべきところあるにもせよ(自分は藝術論をするつもりでないから...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...かくて過去に經驗した極めて些末な慾望...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...こう云う些末な衣食住の趣味について彼れ此れと気を遣うのは贅沢である...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...無用な狐疑(こぎ)や第二義的な些末な考査からやり惜しみをするということが...
寺田寅彦 「学位について」
...幼時の記憶には実に些末なような事柄が非常に強く印象に残っていることがある...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...ただつまらない些末な仕事と...
豊島与志雄 「白蛾」
...善悪の些末などに拘泥していられぬような場合もある...
久生十蘭 「魔都」
...専門家同士の間にはこんな些末なことはどうでもいいのかも知れぬが...
久生十蘭 「魔都」
...こんな些末な事はどうでもいいとして...
久生十蘭 「魔都」
...さうは思つても私にとつては極めて些末な空事であるのにも関はらず爪弾きでもするかの笑ひなどを浴せられた私は肚を立てずには居られませんでした...
牧野信一 「早春のひところ」
...私が彼の落した財布を送り達(とど)けてやったと云う些末な点に過ぎない...
松永延造 「職工と微笑」
...些末な記事の誤りのみを人々に指摘して笑つた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...日々の些末なつかれるいそがしさに挫かれて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...些末な描写にうむことない話をききました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...斯かる些末なる事を精(くは)しく認め置き候は...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...こんな些末な会話の端さえ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...その多くがあまりに数が多いため追跡し得ない些末な源に因ってきたるものに相違なく...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...話はそういう些末なことであったが...
和辻哲郎 「鎖国」
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