...些々(ちよいちよい)擽る様な事を言つた事もある...
石川啄木 「鳥影」
...些々(ささ)たる吉凶禍福に心を奪わるるようでは...
井上円了 「おばけの正体」
...些々(ささ)たる国内の外交...
大隈重信 「憲政に於ける輿論の勢力」
...たぶん大洋の深さもその広さの比例からするときわめて些々(ささ)たるものであろう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...どのような些々(ささ)たる現象をも...
太宰治 「虚構の春」
...そのつぎにおのれの近況のそれも些々(ささ)たる茶飯事を告げる...
太宰治 「ロマネスク」
...それは友情においては些々(ささ)たることにすぎない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...お話にならないほど些々たるものです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...些々(ささ)たる政治的技術によってはどうすることもできない最悪の事態に直面していたのである...
中村地平 「霧の蕃社」
...些々(ささ)たる事から誤解を大きくして二人はハンブルク市場で決闘をする羽目にまで立ち至ったのである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...些々(ささ)たる地位の利害に眼(まなこ)をおおわれて事物の判断を誤り...
福沢諭吉 「学者安心論」
...十今迄私は私の些々(さゝ)たる生活の出來事を詳細に亙つて記し...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼らは、尨大な人間の努力が、些々たる無益な、時には有害なことに浪費されているのを見、これは全然無くて済むかまたはもっと有効に使用出来るはずであると考える...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...高(たか)が些々(さゝ)たる肉躰上(にくたいじよう)の苦痛(くつう)のみなのだから...
三島霜川 「虚弱」
...一一勿論(もちろん)些々(ささ)たる断片の珍奇を拾い上げて...
柳田国男 「木綿以前の事」
...むろん賃銭は些々(ささ)たるものだが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...ただ市井(しせい)の無頼や押込みなどが頻々と起した些々(ささ)たる小事件とのみは観(み)られず...
吉川英治 「大岡越前」
...些々(ささ)たる一個の詮索(せんさく)ではござりませぬ...
吉川英治 「大岡越前」
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