...いと丁寧に塵なき井桁の端(はし)に載せた...
石川啄木 「葬列」
...肩切れ白ブラウスに井桁格子のスカートをはいた二十歳ぐらいの女の腐らん死体を発見...
海野十三 「探偵会話 下駄を探せ」
...前景の両側には丸に井桁(いげた)に三の字を染め出した越後屋(えちごや)ののれんが紫色に刷られてある...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...大きく井桁を散らした青っぽい着物に...
豊島与志雄 「復讐」
...ゆうべ問題になった朱漆の井桁の葛籠(つづら)...
中里介山 「大菩薩峠」
...家の紋(もん)は井桁(いげた)の中に菊の紋だ...
夏目漱石 「僕の昔」
...この井桁を取り払うんだ...
野村胡堂 「古城の真昼」
...四枚の御影(みかげ)を畳んだ井桁は何んの苦もなく取り払われて...
野村胡堂 「古城の真昼」
...お六に井桁(ゐげた)へ置かせたのが惡かつたんです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...井桁(ゐげた)の外に乾してあるのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...井桁古びた天井に鼠の夢を驚かして今朝年越しの煤拂ひ...
萩原朔太郎 「煤掃」
...入江の岸に井桁(いげた)に積みあげておいたが...
久生十蘭 「藤九郎の島」
...井桁格子(いげたごうし)の浴衣に鬱金木綿(うこんもめん)の手拭で頬冠(ほおかむ)り...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...庭には梅の古木が斜めに井桁の上に突き出たりして...
正岡容 「寄席風流」
...つまり井桁に組んであって...
村井政善 「蕎麦の味と食い方問題」
...商標には井桁(いげた)の中に喜の字を用いた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...ご存じのように和尚は、井桁(いげた)、西郡(にしごり)ら重職の懇請によって招かれた藩の賓客であり、経典はもとより儒学、政治、経済にも精(くわ)しく、なかなか非凡な人物なのですが、時勢に対する見識には合点(がてん)のいかないところがあるのです...
山本周五郎 「失蝶記」
...土間は真中に新しい黒い藁灰を入れて巨大な堅炭が三角の井桁に重なり合ったまま起っている...
夢野久作 「お茶の湯満腹談」
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