...恋――互いに思い合った恋と言ってもこれほどの執着はあり得まいと君自身の心を憐(あわ)れみ悲しみながらつくづくと思う事がある...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...きょうは決闘をやりに来たのではありませんからね」ふたりはお互いのピストルを取り返して...
江戸川乱歩 「影男」
...お互いにこのコスモスの咲く頃を鶴首して待とう...
大杉栄 「獄中消息」
...従って前にも述べたように何時でも互いの排泄物を食べ合っている貧しい過密な家族や炭鉱夫たちではコレラが主として冬に限られるのにたいし...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...国民信仰と国民説話と此の如く絶えず互いに影響して...
高木敏雄 「比較神話学」
...お互い顔を合せても口をきかぬような...
太宰治 「斜陽」
...書物も履物も互いに取りかえて着けた...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「封三娘」
...それがお互いに別れ別れにされてしまって四十余日になるのである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...併しこのアプリオリテートを個々の対象が互いに順序づけられて現われる方即ち視覚の optische Lokalisation と考えるならばヘルムホルツがカントを攻撃したようにかかるアプリオリテートは明らかに否定されねばならぬ...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...悪者四人が互いに殺し合って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お互いの顔がみえた時がいちばん恐いんだ...
早川鮎子 「穂高岳屏風岩にて」
...存在と非存在が互いに全滅し合い...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...それが大砥独立して互いに嫉視している国においては...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...互いが互いを相殺して...
三好十郎 「恐怖の季節」
...「みんなわる気のない人間だよ」「そしてみんながお互いに信頼しあっている」千之助は従兄(いとこ)の皮肉などそ知らぬ顔で...
山本周五郎 「山彦乙女」
...お互いのカクテル・グラスを苦笑し合うばかりになる...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...秀吉や家康の家庭にはないものをお互いが持ち合っているらしい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お互いに邪魔をし合わないで独立した印象を我々に与えるように...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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