...寧(むし)ろ集めたいと云ふ気持に余り快哉(くわいさい)を感ぜぬのである...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...母が僕に然(さう)云ふんだ...
石川啄木 「漂泊」
...一体女と云うものは一生たよるべき男は一人ほかないはずだのに其の自分の身持がわるいので出されて又...
井原西鶴 宮本百合子訳 「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」
...ここは何と云う処じゃ」道家が声をかけると老婆は顔をあげた...
田中貢太郎 「赤い土の壺」
...ここで尻でも炙(あぶ)ろうか」と云って...
田中貢太郎 「宇賀長者物語」
...どうしたと云うのでございましょう...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...そして、自分以外の者が離れの方へ来ることをやかましく云って、中姉(なかあん)ちゃんは病気には負け易(やす)いよってにと、幸子をさえも病室から遠ざけるようにしたので、幸子は病人の児を抱えながら何の苦労もなく、手持無沙汰(ぶさた)な日を送ったが、悦ちゃんは心配ないさかい歌舞伎座見に行って来なさいなどと、雪子は云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...聞き取りにくい濁声(だみごえ)で云った...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...」綾子が震えながらそんなことを云い出した...
豊島与志雄 「白血球」
...「うむ、町武家と申してな、江戸の流行物(はやりもの)じゃ」「へえ、町武家?」「黒船以来、町人の武家ができた」「えらい騒ぎだそうでございますな、黒船って奴で」「京は、何うじゃ」「京は旦那様、うっかり、夜も歩けやしません」「辻斬りか」「いいえ、辻斬りは、出ませんが、生首に躓(つまず)くんで」先棒が、じっと、益満を見ていたが「旦那あ、何んだな、俺の睨んだところでは、関東の隠密だな」と、云って、首を傾けて「そうでござんしょう」「そう見えるか」「そりゃ、人を見て、飯を食ってるんでござんすから、それくらいのことは、こう睨むと、外れませんよ」「俺も、そうらしいと思った...
直木三十五 「南国太平記」
...なかなか丸や三角を並べちゃいられない」「そりゃおめでたい」と云った甲野さんは洋卓越(テエブルごし)に相手の頭をつらつら観察した...
夏目漱石 「虞美人草」
...セント・ジョン氏について云へば...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...西洋で Litfass の柱と云ふ廣告柱なんぞも...
森林太郎 「翻譯に就いて」
...技巧の超過より来る醜さは高価なものを作るところに遠因すると云えないであろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...帰ろう」竹次がそう云った...
山本周五郎 「菊千代抄」
...そこでようやく、涌谷領遠田郡の者が、違法である、と云いだし、安芸も人を遣(や)って、草萱用水の境を明確にしようとした...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...しかしさうかと云つて邪魔するつもりでも全然ない...
横光利一 「悲しみの代價」
...云って来たのが悪くもあった...
吉川英治 「日本名婦伝」
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