...意氣(いき)な稽古所(けいこじよ)の二階屋(にかいや)があつたが...
泉鏡太郎 「十六夜」
...通りを隔てた一方の角の二階屋に...
泉鏡花 「薄紅梅」
...青い蚊帳(かや)を吊つた岸の二階屋の一間(ひとま)が見えたり...
田山花袋 「朝」
...川俣の土手の上の二階屋にゐたことが思ひ出されて来た...
田山録弥 「新しい生」
...『向ふの二階屋の表面(おもて)は大通りになつて居(ゐ)るのかね?』『さうだツけん』と女は笑つた...
田山花袋 「父の墓」
...新開地でもあるかのように新しくぞんざいに建てられた二階屋の軒から軒へと続いてつらなっているのを発見した...
田山花袋 「日本橋附近」
...港の岸につらなつた家屋だの、石垣だの、二階屋だの、ぴつしやり閉つた障子だの、女が物を洗つてゐる雁木だのが目まぐろしくかれ等の前に動いて行つた...
田山録弥 「モウタアの輪」
...方形を成した二階屋であったが...
徳田秋声 「縮図」
...二階屋の立ち並んだ静かな町を...
徳田秋声 「爛」
...向こうの二階屋が風の鳴る中に...
夏目漱石 「三四郎」
...崖(がけ)の上に建つた二階屋で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その暗がり横町に出来た二階屋の一ツに...
林芙美子 「落合町山川記」
...」傘さしてかざすや廓(くるわ)の花吹雪この鉢巻は過ぎしころ紫におう江戸の春目と鼻の路地向うの二階屋から...
林芙美子 「新版 放浪記」
...そのころまだ京都になかった二階屋の大第(だいてい)をかまえ...
久生十蘭 「無月物語」
...若しも軒先に煙草の看板ほどの酷く煤けた「おとまり宿」といふ板が掛つてゐなかつたら見逃すのが当然沁みた草葺屋根の不恰好な二階屋だつた...
牧野信一 「るい」
...二階屋であつたけれど...
正岡容 「大正東京錦絵」
...日よけの簾の二三枚たれたしもたやづくりの二階屋です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...またこの時分は二階屋というものも少なかった...
柳田国男 「母の手毬歌」
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