...松太郎は餘り冗く訊かれるので何がなしに二の足を踏みたくなつた...
石川啄木 「赤痢」
...亭主もし二の足ふまば我が職掌をいうべきなれど...
泉鏡花 「活人形」
...やって来るのを二の足ふんでいたんです...
海野十三 「超人間X号」
...二の足を踏んでいるときではなかった...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...私はそれを気の毒がつて無上(むじよう)にせがんだけれどあんまり穢いのでさすがの伯母さんも二の足をふんで買つてくれなかつた...
中勘助 「銀の匙」
...そういう空想に耽(ふけ)るよりは、早くこの現実の場を脱出して、正当な帰途につかなければならぬ、それが急務だ、と主膳の目では、醜怪にも悪魔にも見える地蔵尊の前を過ぎて、ほんの少少ばかり進んだと思うと、「あっ!」と、またしてもこの男にも似気(にげ)なく、二の足、三の足を踏んで立ちすくんだかと見るほどに、たじろいで、やっと身を支え得たかのように突立ちました...
中里介山 「大菩薩峠」
...天下の公橋を渡るさえ二の足が踏まれるのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...すぐつかまってしまいましょう」番頭は助けられながら二の足をふむのを...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...最初は二の足を踏みましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...引つ込みが付かなくなりますよ」ガラツ八が二の足を踏む間に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...すばやくとんだ栄二の足に眼をみはったとたん...
山本周五郎 「さぶ」
...思わずタジタジと二の足をふんでいると...
吉川英治 「江戸三国志」
...常の貴公らしくもない二の足ではないか...
吉川英治 「三国志」
...どうします?二の足をふむ右馬介のたじろぎも...
吉川英治 「私本太平記」
...あなたを鎌倉方へ二の足か...
吉川英治 「私本太平記」
...あだ討でもあるまいと――まあ二の足を踏むのが多くて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...自分がそう二の足をふむかといえば...
吉川英治 「随筆 新平家」
...針差しとか料理の栞(しおり)とかいうようなものに返送料までつけてやることは二の足をふむのである...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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