...もう飛び出そうかもう飛び出そうかと二の腕をふるわせながら青くなって突っ立っていた...
有島武郎 「卑怯者」
...はちきれるようにふくらんだ真白な二の腕も露(あらわ)な十七八歳の美少女が居て...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...その二の腕といわず下肢(かし)といわず...
海野十三 「振動魔」
...二の腕深く隠し持っていた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...むき出しの細い二の腕へ粒々をこさえたまんまさっさとルウレット台のひとつへ埋没してしまった...
谷譲次 「踊る地平線」
...二の腕の創(きず)をよく結び直しながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...船頭に掴まった二の腕を烈しく振りほどいたお角は...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し前屈みになった又左衛門の二の腕へ深々と突っ立ったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...甥(おい)の吉太郎が放埒(ほうらつ)のために勘当になると、私の昔の乳母だった、お安という女を葛西(かさい)から捜し出して来て、いろいろ訊ねた末、そのころ私をさらった者の人相から、小松屋を怨む筋の者を手繰(たぐ)って、とうとう私が四つの年に軽業師の南左衛門に売られたということを突きとめ、それから、左二の腕に、火のような赤い痣(あざ)のあることを聴出して、それを証拠に私を捜し出しましたが、橋の下から拾って行ったのでは、親類方も世間も承知しないだろうと、小田原へ一年預けて、どうやらこうやら昔の垢(あか)を洗い落し、小松屋へ乗込めるようにしたのでございます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二の腕に賽の目の三が入墨してあるところを見ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大橋伝中の二の腕にあったのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「それが一と通りの女遊びぢや無いんで、係り合つた女といふ女、華魁(おいらん)も新造も、藝子も素人衆まで、一々二の腕に、自分の名を彫らせるといふから、大したものでせう」「一人の客に名前を彫られちや、商賣人は上つたりだらう」「そこが、それ金の有難味ですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...左二の腕にかすり傷でも負うたらしく...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...少尉は信二の腕をつかんでいた...
山川方夫 「その一年」
...二の腕の文身(ほりもの)を見てください」彼女の皮肉な揶揄(やゆ)が耳を刺すと共に...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...彼の二の腕へぴしっ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...特に肩から二の腕へ...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...肩や頸や二の腕や手首などの...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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