...汗水流して登って行くと、咽喉は乾く、ルックサックが肩に喰い入る...
石川欣一 「山を思う」
...蠅は羽根が濡れてゐるので、暫くは卓子(テーブル)の上を這ひまはつてゐるが、羽が乾くと、そのまゝすうと飛んで往つてしまつた...
薄田泣菫 「茶話」
...悲しみの涙乾く間もなし...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...というような絶えまない恐怖に苛まれて涙の乾くひまもなかった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...壁土が乾くまではとても冷えるんですって……...
豊島与志雄 「好人物」
...乾くまで緑陰に眠る...
永井隆 「長崎の鐘」
...「玉ちゃん、さあ着物を脱ぎねえ」大きな樅(もみ)の木の下、岩角が自然と洞(ほら)になっているところ、米友はそこを見出して自分が先に荷物を卸(おろ)して、「ここなら誂(あつら)え向き、その木と木の間へいま梁(はり)をこしらえるから、そこへ着物をかけて乾かしておけば、着物の乾く間、それが屋根にならあ」立枯(たちがれ)の木をへし折って、それを蔓(つる)で結(ゆわ)えて干場(ほしば)を拵(こしら)える...
中里介山 「大菩薩峠」
...其次の朝はどうしても遁げようと思ふと僕の衣物が汗に成つて居るから洗濯してあげるためさつき盥へつけた所である乾くまで待つてくれといふのである...
長塚節 「開業醫」
...而して涙痕つひに乾くに至らざりきと云ふよねをしね石田刈り干す...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...肉が乾くと蒸発した水分だけ目方が軽くなるので...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...それが乾くと、絵の輪郭をとりまいてしみが残ることになる...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...春先の道の白く乾く歓びが感ぜられるものならば...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...すっかり乾くのを待って...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...平次が予想した以上の衝動を与えたらしく、頬が痙攣(けいれん)して、唇は僅(わず)かに動きますが、舌が乾く様子で、しばらくは言葉も出て来ません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜明方喉いと乾くまだ斯かる心の苦には逢はずして死ぬ昭和三年頃病気をして入院された時の作...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「喉が乾く/\!」と...
牧野信一 「武者窓日記」
...提灯(ちょうちん)に火を附ける頃、二人は茶店で暫く休んで、汗が少し乾くと、又歩き出した...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...御涙(おんなみだ)の乾く時もなく沈んでおられた...
吉川英治 「三国志」
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こっくりこっくりする 老い込み 手のうち
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