...」と半(なかば)云って唾(つ)が乾く...
泉鏡花 「婦系図」
...河は涸(か)れて乾く」とは砂漠地にて常に目撃する現象である(海とは真の海ではない...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...何となく喉の乾く様な気持がしていた所だ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...蠅は羽根が濡れてゐるので、暫くは卓子(テーブル)の上を這ひまはつてゐるが、羽が乾くと、そのまゝすうと飛んで往つてしまつた...
薄田泣菫 「茶話」
...春さきになると乾く渓流がまんなかにあって...
アンブローズ・ビアス Ambrose Bierce 妹尾韶夫訳 「マカーガー峽谷の秘密」
...手なぞも大袈裟に云へば乾く暇もない位...
武田麟太郎 「現代詩」
...天の池が乾くほどな大雷雨でも来(きた)らぬ限りはこの山火事が続きそうだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...咽喉(のど)が乾くように人が斬りたい...
中里介山 「大菩薩峠」
...一つは衣の乾く程を待つなりゆるやかにすぎゆく雲を見おくれば山の木群のさや/\に搖る冷けき流れの水に足うら浸で石を枕ぐ旅人われは馬籠(まごめ)峠を美濃に下るまさやかにみゆる長山美濃の山青き山遠し峰かさなりて十一日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...それが乾くと、絵の輪郭をとりまいてしみが残ることになる...
中谷宇吉郎 「硯と墨」
...涙の乾く前に着くかも解らない」二人は無駄を言いながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...咄嗟(とつさ)の間に乾くのを恐れでもするやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...家の前は水の乾くひまもなくて...
林芙美子 「落合町山川記」
...唇が乾くのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...八は着てゐる絆纏がひとりでに乾くやうに感じた...
森鴎外 「金貨」
...小川は吭(のど)が乾くので...
森鴎外 「鼠坂」
...河の水乾くを待ちて渡らんとする村人のごとし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...牛の糞の乾くにおいにも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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