...乾いた田圃には、鶏の一群が餌をあさっている...
板倉勝宣 「春の槍から帰って」
...乾いた砂埃を立てていた...
梅崎春生 「狂い凧」
...昼間見たかうした巷は何処となく乾いたゴソゴソしたやうな感を私達に起させた...
田山録弥 「百日紅」
...乾いた木(こ)の葉の々(そうそう)としてひびきを立てる音が...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...萵雀(あをじ)が其乾いた落葉を軽く踏んで冬は村へ行き渡つた...
長塚節 「隣室の客」
...其日(ひ)は乾いた風(かぜ)が朗(ほが)らかな天(そら)を吹(ふ)いて...
夏目漱石 「それから」
...乾いた風に揺れていた...
夏目漱石 「明暗」
...――棧は穴の中の血の乾いた上へそつと落ちて居た...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寢卷に乾いた土と媒埃(すゝほこ)りをうんと附けて居るのは變だね」平次は萬筋の地味な寢卷を念入りに調べて居ましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...乾いた砂を胸へすくひこんでゐる...
林芙美子 「就職」
...そのくせ抑揚のない乾いた調子で...
久生十蘭 「肌色の月」
...息苦しく乾いた胸を掻きりながら...
牧野信一 「ラガド大学参観記」
...お久美さんは引きしまった顔をうつむけて乾いた土を見て居たが...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...あなたが乾いた単調さとお戦いになる程度にここでは音やごちゃごちゃとの組打がひどくて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それはかさかさと乾いた声で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...衣服も乾いたので...
吉川英治 「三国志」
...やっと涙の乾いた顔を上げた時は...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...しかしその乾いた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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