...線香のやうに乾いた髄を通して...
薄田泣菫 「石竹」
...土塊のからからに乾いた黍畑の畔に...
薄田泣菫 「独楽園」
...乾いた目前處理の生活ばかりなのである...
高村光太郎 「美の影響力」
...全体のタッチも乾いた感じを私に与へた...
田山録弥 「自他の融合」
...白く乾いた脣のまわりに疎(まば)らな無精髭(ぶしょうひげ)がしょぼしょぼ生えて...
中島敦 「虎狩」
...白く乾いた田甫の地は吹き立てられて...
長塚節 「菜の花」
...洗濯物は一時間ばかりで乾いた...
長塚節 「旅行に就いて」
...気持ちがいいンだよ」与平は乾いた手拭(てぬぐい)で...
林芙美子 「河沙魚」
...まるでKこそ乾いた土地であり...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...だがとにかく、私は震え上がり、妙に口が乾いた...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...だがサトーリスの乾いた声だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...「グリツプが喉が乾いたやうな声を出したので今水を与へたところだよ...
牧野信一 「鸚鵡のゐる部屋」
...ハナのなかが乾いたようで眼玉がいくらか強ばって昨夜は夜中おきて湯タンポをつくりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この空地は乾いたことがなく...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...「それでわかるだろう」と繁次は乾いた声で熱心に云った...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...雨に流され鋪道の石の間に溜りつつ乾いた綿のような軽い花の群れが...
横光利一 「旅愁」
...水平線上の曙紅(しよこう)は乾いた朱色(しゆしよく)を染め...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...乾いた土砂が、顔へ噴きつけた...
吉川英治 「松のや露八」
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