...生温い、暑さのぶり返しを思はせる蒸し蒸しした空気、雨、それから青空、微風、快い乾いた空気、――こんな風にためらひ、一寸後もどりをし、又急ぎ足で駆け、季節は人々に型通りの見込をさせまいとするかのやうに見える、がその足どりの中には何か大まかな順調さが、あの自然といふものの単純な変化が歴然と現れて来る...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...乾いたことのない地面からは...
徳田秋声 「黴」
...それは血を飲みたいがために乾いた咽喉であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...乾いた土の色を見せている暗(くら)がり峠(とうげ)を望んだ...
夏目漱石 「行人」
...あの乾いた土の上に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...銭形の親分――乾いたものと着換えて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...以前は少し劔のある乾いた眼元も...
久生十蘭 「魔都」
...私に從つて廣間に這入ると彼は私に急いで何か乾いた物を着て書齋の彼の許へ歸つて來るやうにと云つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...水の乾いた河を横切って岩のかたまっているところへ近づいて行った...
牧逸馬 「土から手が」
...乾いた茜いろした面白いものであった...
室生犀星 「幼年時代」
...しだいにかすれてゆく乾いた咳の声が...
山本周五郎 「青べか物語」
...かさかさと乾いた音をたてた...
山本周五郎 「花も刀も」
...――乾いた埃立つ道をあるき続けながら...
山本周五郎 「ひとごろし」
...聴衆の列は乾いた広場にもう長くつづいていた...
横光利一 「旅愁」
...乾いた心の唇をじつと噛(か)みしめ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...宿酔(しゅくすい)の乾いた唇を舐(な)めながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...大熱のあるらしい乾いた唇からさけんだ...
吉川英治 「親鸞」
...カラカラに乾いた咽喉と血走った眼に...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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