...ぷつりぷつりと乾いた西洋紙に孔を明けている園の様子が見えるようだった...
有島武郎 「星座」
...つめたく乾いた畠土の上に...
梅崎春生 「Sの背中」
...あたりはひつそりとして乾いた山路に落ちかかつたそこらの立樹の影が...
薄田泣菫 「小壺狩」
...土塊のからからに乾いた黍畑の畔に...
薄田泣菫 「独楽園」
...われわれの住んでいるところはむかしから乾いた陸地だったわけではない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...腹の底までしみとおるような乾いた木の音を鳴り響かせながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...乾いた西風の烈しい時は其煤がはらはらと落ちる...
長塚節 「太十と其犬」
...よく見るとほんの少しだが乾いた漆喰がこぼれている...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...富岡は、妻の邦子にしてやつたやうに、固くなりかけてゐるゆき子の手を、そつと胸に組みあはせてやつたが、冷い手は、乾いた血で、汚れてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...新らしくほうり入れた乾いた桑の根はすぐくすぶり始めました...
林芙美子 「クララ」
...周子が英一をたしなめた真実味のない乾いた声が聞えた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...乾いた彼れの心を潤(うる)おした...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...きょうは乾いた天気になりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そう思って呉れるか」菊千代は乾いたような声で云った...
山本周五郎 「菊千代抄」
...顔には泥と(茨(いばら)かなにかで傷ついたのであろう)幾筋も乾いた血の痕(あと)がある...
山本周五郎 「山彦乙女」
...衣服も乾いたので...
吉川英治 「三国志」
...洪水はまったく乾いた...
吉川英治 「三国志」
...雨のすくない乾いた山林だと山火事もおこしかねない...
吉川英治 「私本太平記」
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