...よく乾いた洗濯物を腕一杯に抱へて...
伊藤野枝 「惑ひ」
...乾いたタオルでゴシゴシと背中や胸を拭(ふ)いた...
海野十三 「地中魔」
...「先生、先生」小池助手が青ざめた顔で、乾いた唇で、強く囁きながら、博士の腕を捉えた...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...終日樹の下に画幅や古書を投棄てて置いても乾いた枯葉の為に少しも湿める虞がなかった...
永井荷風 「写況雑記」
...花川戸で喉(のど)が乾いたから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...半かけの雲が落葉といつしよにひらひらするやうな乾いた秋であつた...
林芙美子 「柿の実」
...家庭内同人誌『沈丁花』一号掲載散文詩饗宴乾いた星を鏤めて夜空はぴつたりと地上に被さつてゐる...
原民喜 「かげろふ断章」
...乾いた粉塵(ふんじん)が舞い...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...雨よ豊かに降り濺いで長い日でりに乾いた土壤を潤せ...
宮本百合子 「海辺小曲(一九二三年二月――)」
...皮膚は乾いた土色をしてい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...白く乾いた岩や砂利...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...草履の下で乾いた貝殻の音がし...
山本周五郎 「山彦乙女」
...トラツクの下の乾いた土を掻きよせては...
吉川英治 「折々の記」
...乾いた柴に焔硝(えんしょう)を抱きあわせて...
吉川英治 「三国志」
...タオルの乾いたところを...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...よく乾いた干草をやってみたが...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
...黄いろい乾いた光沢なども...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
...しかしその乾いた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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