...厩では乾秣(やた)を欲(ほ)しがる馬の...
石川啄木 「天鵞絨」
...これらの動物は子を生んだ後は全く打ち捨てておいて少しも顧みないが、動物の一生涯の中で最も弱く最も危うい時期はすなわち幼時であるにかかわらず、少しも親の保護を受けぬのであるから、これらの動物が幼い時に死ぬ数は実に非常なもので、敵に食われるものもあり、同胞に食われるものもあり、飢えて死ぬもの、圧されて死ぬもの、乾いて死ぬもの、溺れて死ぬものなどがあって、実際成長するまで生存しうるものはきわめて少ない...
丘浅次郎 「生物学より見たる教育」
...一日(にち)照(て)つたので畑(はたけ)は大抵(たいてい)ぱさ/\に乾(かわ)いて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...新木(栄吉)さんに乾杯をして貰って...
中谷宇吉郎 「娘の結婚」
...縦(たて)なる上下乾坤(けんこん)のそれを会得してしかして後に初めてなし能(あた)うものであるまいか...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...まだ生乾きになっているのを認めた...
久生十蘭 「魔都」
...私は、夫婦喧嘩の仲裁をして主人を店先に伴れ出して、「青野のために――」などゝ云つて、盛んに乾盃した...
牧野信一 「競馬の日」
...そこの空気の乾燥しているということが希望されておりますし...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...日が強く照(て)るときは岩は乾(かわ)いてまっ白に見え...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...こんな……」白く乾いた唇がカサカサ慄えた...
矢田津世子 「反逆」
...同じ地方では又大根を薄く切つて乾したものを...
柳田國男 「食料名彙」
...タコノテ山口県の一部で乾大根をそう呼んでいる(阿武郡誌)...
柳田國男 「食料名彙」
...紅をさしたために却って醜く乾いてみえる唇...
山本周五郎 「柳橋物語」
...タッタ一人でこのカフェーに乾盃をしに来たら...
夢野久作 「ココナットの実」
...彼は薄青い乾いた苔のへばっている石の面へ鼻をつけたり...
横光利一 「旅愁」
...さらッて逃げたんでございます」べつな乾分(こぶん)が横から告げます...
吉川英治 「江戸三国志」
...黄忠もこの一戦を乾坤(けんこん)と思っていた...
吉川英治 「三国志」
...余りに変り果てた乾分(こぶん)多市の姿――銀五郎そこへ足を入れた途端に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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