...JosMaria de Heredia が日本も亦(また)別乾坤(べつけんこん)なり...
芥川龍之介 「骨董羹」
...庭に乾された固まつたやうな茶の放つ香が異様に鼻を打つた...
安倍能成 「初旅の残像」
...(咽喉(のど)が乾いていたんだ)しかし彼は一番表側の...
梅崎春生 「黄色い日日」
...乾坤に一擲くれし大夕立耳一つ恵み残され冬籠寒卵取りに出しのみ今日も暮れ農地改革の声が旺んになつて来た時分から素顔君の俳句はぱつたりと跡を絶つてしまつた...
高浜虚子 「椿子物語」
...乾いた快い風のやうな響きを帯びてゐた)彼の持牛についた虱(しらみ)をとる薬はやはり人間にも同じ効(き)き目(め)があるのかね...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...林のあたりには洗濯して日影のある中に乾かして了はなければならないシヤツやらズボン下やら上着やらが手のとゞく限りの枝にかゝつてゐて...
田山録弥 「一少女」
...これは通例乾燥無味な表に詰め込んだだらしのないものである...
寺田寅彦 「アインシュタインの教育観」
... 485乾燥のため川流の岸に晒しておく如し...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...地面には夜露のしとりがまだ乾かぬくらいで...
徳田秋声 「黴」
...彼の痙攣(けいれん)的な和声(ハーモニー)は心情の乾燥と思想の空粗とをごまかそうとしたものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...東西のある乾坤(けんこん)に住んで...
夏目漱石 「草枕」
...有馬屋のお糸と、乾物屋のお柳と、吉五郎の娘お留は、三人とも十九の厄(やく)で、身分の距(へだ)てを他所(よそ)に、長い間仲よく付き合っておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...乾燥室へ戻ってこなかった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...乾いたところのちっともない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...孫乾も行きたがっていますが...
吉川英治 「三国志」
...乾魚船(ほしかぶね)の底にかがめていた背も...
吉川英治 「私本太平記」
...あとで人様から告げられて、さては、そういうことだったかと思い合せ、いまは良人の身ひとつに限らず、どうか御家臣御一統さま、すべてが、よい御処置をあそばすように、それだけを祈っているだけでございまする」しかし――そうは答えても、決して心は平静であり得なかった証拠には、もう乾きぬいて、風にも剥(は)がれかけている貼板(はりいた)の物を――さすがに彼女も二晩ほど仕舞い忘れていた...
吉川英治 「日本名婦伝」
...土間の隅に立っている乾児(こぶん)の一人に...
吉川英治 「宮本武蔵」
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