...ふたりとも、大きな子で、ひとりは九つ、もうひとりは十一でした...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「家じゅうの人たちの言ったこと」
...はじめてここに見出(みいだ)されたが、一つ目の浜の方(かた)へ、半町ばかり浜のなぐれに隔つる処に、箱のような小船を浮べて、九つばかりと、八つばかりの、真黒(まっくろ)な男の児(こ)...
泉鏡花 「悪獣篇」
...九つのあたまが揃って...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...その曲の「九つ心も恋路の闇にくれ羽鳥――」とかいう辺りの面白い三味線の手を思い浮べて居ると...
岩本素白 「六日月」
...九つと、九つともう一つ九つと、九つとまだまだ九つと九つと九つと……」斥候は、汗を額からたらたらと流しながら、妙な方法で数を数えた...
海野十三 「人造人間戦車の機密」
...九つまで往くと泣き声になった...
田中貢太郎 「皿屋敷」
...ところがジャン夫人の実験がその紐育時刻に成功し、中央気象台では、四日の真夜中から始めて、「用意の卵で午前零時いよいよ実験開始……三十分に七つ、そして九つ、すねていた最後の一つもお時間の零時五十一分になるとピタリ静止した」そうである...
中谷宇吉郎 「立春の卵」
...二人とも同じ歳の九つでした...
野口雨情 「虹の橋」
...「九つの鍵は九人の身辺に...
野村胡堂 「九つの鍵」
...九つの鍵を敵の眼から隠したとしたら...
野村胡堂 「九つの鍵」
...「七つから九つまでの子供ですぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...間もなく淺草の九つが鳴つてゐたと」「それ見ろ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...九つになるお松だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう九つくらゐの年から地上の真理を知りますよ...
北條民雄 「書けない原稿」
...三色のサンドウィッチが出来ましたらば少し大片(おおぎれ)に一組を三つに切って三色で九つに作るとちょうど食べるにも都合がようございます...
村井弦斎 「食道楽」
...価(あたひ)十匁と申を九つか十か御こし被下度候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...お孝の九つの年に亡くなったが...
山本周五郎 「寒橋」
...その頃の事といえ、わが家の戸籍などを人前に出すのもどうかと思うが、母に苦労させた喰べ盛りの口数を示すために、一応ここで幼い弟妹たちの名を並べてみるなら、まず長男のぼく十四を頭に、次男素助七つ、長女きの十二、次女カエ九つ、三女浜四つ、四女千代一つ、という揃いも揃ってヒヨコばかりが六人もいたのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索