...舷(ふなべり)を乗り越して奔馬のような波頭がつぎつぎにすり抜けて行く...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...建物の蔭に隠れたのかと、窓を乗り越し、グルッと一巡(ひとまわり)歩いて見たけれど、どこにも人の姿はなく、又隠れ場所とても見当らぬ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...非常に勢よく上手に柵を乗り越して無事に内側へひらりと下りた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...橇(そり)で乗り越して行く時にくずれるさまなどから...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...」と女中は乗り越した垣根からこっちへ降りる足場などについて説明していたが...
徳田秋声 「黴」
...彼は板塀を易々と乗り越してはいっていく...
豊島与志雄 「交遊断片」
...彼は壁を乗り越して外に出で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...如何なる堤防をも乗り越し破壊する...
豊島与志雄 「自由主義私見」
...律令や誡命などの夥しい旧解釈を乗り越して...
豊島与志雄 「文学以前」
...乗り越してみようと企てたのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...自分より前に止つてゐた橇を乗り越して走り出した...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...早月川へ乗り越して...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...音もせず乗り入りては乗り越して行く...
夏目漱石 「薤露行」
...新しい道伴(みちづれ)ができたためつい大阪まで乗り越して...
夏目漱石 「行人」
...木綿(もめん)の兵児帯(へこおび)を乗り越してやっと股倉(またぐら)へ出た...
夏目漱石 「坑夫」
...いつの間にか姉妹(きょうだい)を乗り越した...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...光之は一日だけ先へ乗り越した...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...綱利は土山水口の駅で光之を乗り越した...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
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