...クラウゼウィッツの言う如く敵の過失を発見してこれに乗ずる以外また策の施すべき術もない有様となった...
石原莞爾 「戦争史大観」
...私はそれに乗ずるような卑怯は断じてしない...
伊藤野枝 「転機」
...その国はたちまち敵の乗ずるところとなって...
丘浅次郎 「人類の生存競争」
...………」老人は白氏文集(はくしもんじゅう)を愛読していて、興に乗ずると、こんな工合に文句を暗誦するのであるが、これが出る時はそろそろ酒が循(まわ)って来た證拠であった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...人の不幸に乗ずるは武士にあるまじきことなり...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...彼は又大隈伯の如く単に社会の潮流に乗ずる巧妙なる舟子たるを以て甘むぜずして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...そのうえ優勢に乗ずることをしなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...油断なき兵馬の心に乗ずることができませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうなるのでしょうね」興に乗ずると我を忘れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...人の弱点に乗ずるような人間じゃない...
夏目漱石 「虞美人草」
...鬼神といえども乗ずる隙(すき)がないことでしょう」一色友衛は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...だが父が先に立つて此方を甘やかすのに乗ずると...
牧野信一 「父を売る子」
...四海に光宅してもて風に乗ずるは仁王なり...
三木清 「親鸞」
...その隙(すき)に乗ずる呼吸である...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...然るに、隆中に鍬(くわ)を持ち読み齧(かじ)れる白面の一書生が、多少、時流に乗ずるや、たちまち、雲を得たるかの如く、かく無名の師(いくさ)をおこすとは何事ぞ」「たれか無名の師という...
吉川英治 「三国志」
...かならず野望をこの時に乗ずるであろうし...
吉川英治 「新書太閤記」
...かならず小人の野望の乗ずるところたらん...
吉川英治 「新書太閤記」
...乗ずる隙はなかったのだからである...
和辻哲郎 「鎖国」
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