...之を非とせんと欲するも未だ嘗(かつて)縄尺(じようしやく)に乖(そむ)かず...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...もしこれを「未荘の人也」といえばやはり史伝の法則に乖(そむ)く...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...紅葉と乖離(かいり)するのは決して本意ではなかったろうが...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...かえって乖離(かいり)敵対のもっともはなはだしき原因となれり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...將た板垣伯が乖謬無名の辭表を天に捧げて宸襟を煩はし奉りたる際にも此の一侯一子が閣僚として曾て板垣伯に善を責むるの道を盡さず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...それも結局二人の間を益々乖離させるばかりだった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...そして私は私と英子との心の方向が乖離してきたのを余りに多く知りすぎていた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...間接的なもの理想的なものとの乖離が...
豊島与志雄 「情意の干満」
...ここにおいてか乖離(かいり)が生じてきて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...男は大抵乖戻放慢の徒で...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...ハムレットが時計の鎖をいじる……ハムレットのように現代の記憶を喪失した乖離性追想喪失症には...
久生十蘭 「ハムレット」
...この原則から乖離しても差支えないという場合が...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...かくして時を失い機に乖(そむ)く故にこの教は衰微せざるを得ないのである...
三木清 「親鸞」
...個人は社会の習慣的な有機的な関係から乖離し...
三木清 「哲学入門」
...何でもなき宗儀作法の乖背(かいはい)から...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...もしかすると歴史における人間の現在の段階は肉体と理知のこのような乖離(かいり)というところにあるのかもわからない...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...太宗は自らこれに叙して、「朕尊居億兆之上、常以百姓為心、念五気之或乖、恐一物之失所、不尽生理、朕甚憫焉、所以親閲方書、俾令撰集、溥天之下、各保遐年、同我生民、躋於寿域、今編勒成一百巻、命曰太平聖恵方、仍令彫刻印版、施華弟、凡爾生霊、宜知朕意」と云つてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...かくて固定的な法定率が市場率とかくも甚しく乖離し得ることを吾々が見出す以上...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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