...光線が乏しいなら乏しいなりに...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...所謂「北の方(かた)」であって光線の乏しい御殿の奥の間に垂れこめつゝ単調な日々を送っていたのであろうから...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...第一水が乏しい...
田山録弥 「あちこちの渓谷」
...残る半分すなわち日刊の廃止という事はちょっと実現される蓋然性(がいぜんせい)が乏しい...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...却って機械論という一種の最も乏しい哲学を採用せざるを得なくなることであり...
戸坂潤 「科学論」
...モダーン生活や小市民生活に対しては極めて同情能力の乏しい人のようであるが...
戸坂潤 「社会時評」
...日本文化が如何に思想に乏しいか...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...謂わば凡てに女性的な濡いと曲線とが乏しい彼女なのだが...
豊島与志雄 「鳶と柿と鶏」
...彼よりも遥かに才能に乏しいR・L・S・の方は兎も角も今迄生きのび...
中島敦 「光と風と夢」
...困雑は結局価値乏しい人々をも幸福にはしない...
中原中也 「芸術論覚え書」
...実際の経験に乏しいようにも思うから...
夏目漱石 「坑夫」
...起出(おきだ)してしまえば何にも貧しく乏しい身に...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...乏しい国の乏しい芸術の園に...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...乏しいながらも補償が与えられる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...乏しい月給をかこちつゝ...
水上瀧太郎 「覺書」
...手を火にあたためながら恁うしてさへ居ればいいといふやうな何處か乏しい先例にでも習つてゐる點もあつた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...さらに進んでは日本にはいたって乏しいものと認められている若干の地形語を...
柳田國男 「地名の研究」
...おいちは乏しい銭で松葉屋の飴を買って...
山本周五郎 「つばくろ」
便利!手書き漢字入力検索