...その收穫の貧しいことは前記の如くで一般人が其結果の分け前に預ることは今日迄の所まだ甚だ乏しいのである...
橘樸 「支那を識るの途」
...孰方(どちら)かと云えば愛嬌(あいきょう)に乏しい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...観察力の乏しい人は何を見てもただほんの上面(うわつら)を見るというまでで...
寺田寅彦 「夏の小半日」
...彼は思わず乏しい財布を倒(さかさ)にして了うた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...日本ではこの種の研究はまだ極めて乏しい...
戸坂潤 「科学論」
...無論内容の分量が乏しいということは苦情にはならぬ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...物質的には乏しい生活をしているが...
豊島与志雄 「運命のままに」
...意義乏しいように思われたのである...
豊島与志雄 「「草野心平詩集」解説」
...経験の乏しいものは...
中里介山 「大菩薩峠」
...余(よ)はこの乏しいものの一として...
夏目漱石 「マードック先生の『日本歴史』」
...叔斉殿が首陽山に蕨(わらび)の乏しいのを感じたか...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...これらの荒蕪の地方が与える乏しい生活資料の水準に現実の人口を圧迫している主たる妨げがどんなものであるかを...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...この現象を観察する機会が乏しいためであろう...
武者金吉 「地震なまず」
...この話はもちろん確実性に乏しい...
柳田国男 「雪国の春」
...千山は渓の多い割に水の美に乏しい...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...山村の舊家としてのおもかげはまことに乏しい...
吉川英治 「折々の記」
...とかく武人の中には乏しい経済財務にも通じて...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...人を疑うという性情の乏しい彼女は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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