...読書力に乏しい私は...
石原莞爾 「戦争史大観」
...乏しい様子が、燐寸ばかりも、等閑(なおざり)になし得ない道理は解(よ)めるが、焚残(もえのこ)りの軸を何にしよう……蓋(けだ)し、この年配(とし)ごろの人数(ひとかず)には漏れない、判官贔屓(ほうがんびいき)が、その古跡を、取散らすまい、犯すまいとしたのであった――「この松の事だろうか……」――金石(かないわ)の湊(みなと)、宮の腰の浜へ上って、北海の鮹(たこ)と烏賊(いか)と蛤(はまぐり)が、開帳まいりに、ここへ出て来たという、滑稽(おかし)な昔話がある――人待石に憩(やす)んだ時、道中の慰みに、おのおの一芸を仕(つかまつ)ろうと申合す...
泉鏡花 「瓜の涙」
...「これで死んでしまってはつまらない」もがく力も乏しい最後の哀音(あいおん)...
伊藤左千夫 「去年」
...どうせ無邪気の国民は政治上の思想は乏しいものである...
大隈重信 「〔憲政本党〕総理退任の辞」
...光沢に乏しい皮膚の色や...
徳田秋声 「チビの魂」
...乏しい三人の財布を手に握って...
豊島与志雄 「交遊断片」
...力に乏しく、生気に乏しい...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...金が乏しいことだ...
豊島与志雄 「囚われ人」
...この自由主義には朗かさが乏しい...
豊島与志雄 「文学の曇天」
...至つて日本人は乏しいのであります...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...初めてある地位を志願してなんらかのわからない理由から支店長の好意を呼び起した経験に乏しい若い人間とでも話すように...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...そして飢饉が囘(めぐ)って来てその資源の乏しいことを教えると...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...見識もなく才能も乏しい私のやうなものは...
三好達治 「測量船拾遺」
...技術が乏しい故に...
柳宗悦 「工藝の道」
...日本人は特色の乏しい暮しをしなければならなくなるでありましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...どうして力に乏しい民衆に背負い切れるでありましょう...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...この話はもちろん確実性に乏しい...
柳田国男 「雪国の春」
...ともすれば気品に乏しい憾みを抱く...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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