...私は久しい前から机の抽斗(ひきだし)を掃除しようと思っていたのだ...
モオパッサン 秋田滋訳 「ある自殺者の手記」
...葉子には絶えて久しい物珍しさだった...
有島武郎 「或る女」
...お鳥の可なり久しい間の壓迫はこれを肩ぬけしたやうに思はれたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...久しい前のことは記憶もはっきりせず...
津田左右吉 「学究生活五十年」
...久しい以前から懇意になりたいと望んでいたあるすこぶる魅力ある婦人と...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...野に声なしの歎を感ずること既に久しい...
豊島与志雄 「野に声なし」
...ムクに逢わざること久しい米友は...
中里介山 「大菩薩峠」
...我ながら絶えて久しい自己快感を覚えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...久しい前(ぜん)君に貸したベインの本は僕の先生の著作だから保存して置きたいから...
夏目漱石 「博士問題とマードック先生と余」
...剖刀外科には手引(てびき)がない、手心がわからぬ、道具がない、手が廻らぬ、どうの候のと言うて、この久しい間、うまいこと逃げ居ったわ...
久生十蘭 「玉取物語」
...その後久しいあひだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...「拾得さんはいつごろから当寺におられますか」「もうよほど久しいことでございます...
森鴎外 「寒山拾得」
...又一つには近頃やゝ久しい間...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...久しい間まずは平仮名で通っていたものである...
柳田國男 「地名の研究」
...その中でも鳥の名は最も久しい間...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...この通り起原の年久しいものであります...
柳田国男 「山の人生」
...明治になっても久しい間...
山本笑月 「明治世相百話」
...久しい邂逅(かいこう)である...
吉川英治 「宮本武蔵」
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