...実は私は久しいこと菊を作つて居るのであるが...
會津八一 「菊の根分をしながら」
...之と同時に俺は久しい間――誠に久しい間俺を惱まして來た自己と他人又は個人と社會との問題を...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...京都には久しい以前早稲田で自分達を教へてくれた文学博士F氏がゐる事を思ひ出した...
薄田泣菫 「茶話」
...お前とは久しい間の……」彼はかういつて...
薄田泣菫 「独楽園」
...わずかの家族は久しい前に死に絶えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わけもなく久しい間...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...何故ならばその當時、私は久しい間、まるで先生の作物には手を觸れずに居たし、先生のことなんかも少しも考へては居なかつたからだ...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...久しい馴染でござんしたけれど今は見るかげもなく貧乏して八百屋の裏の小さな家にまい/\つぶろの樣になつて居まする...
樋口一葉 「にごりえ」
...久しいものさ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...「久しい間灯を入れなかったな...
室生犀星 「後の日の童子」
...この后(きさき)は久しい間病気でいられたのに...
森鴎外 「山椒大夫」
...もう大ぶ久しい間...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...由来きわめて久しいものであったことは...
柳田国男 「海上の道」
...私は久しい間、こういう種類の話を方々で拾い集めて、二十三夜という不思議な風習の起原を、この方面から尋ねて見ようとしている...
柳田国男 「年中行事覚書」
...その中から年久しい慣習の跡を覓(もと)めることができるのである...
柳田国男 「木綿以前の事」
...久しい歳月の間これを耕して暮らしていた...
柳田国男 「雪国の春」
...――もっともこの巻物の祟りと申しますのも久しい事出ませんので...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...久しい前のことのう』『殆ど二十何年ぶり...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
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