...実は私は久しいこと菊を作つて居るのであるが...
會津八一 「菊の根分をしながら」
...私は自分がその名さえ覚えていなかったほど久しい前から忘れてしまっていた人たちのことを思い出した...
モオパッサン 秋田滋訳 「ある自殺者の手記」
...それは絶えて久しい幼友だちの一人から送られたもので...
有島武郎 「星座」
...私は久しい間自分の生命の計算をやつてましたが――たうとう破算です...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...採長補短というような久しい前に流行したことのある考えかたも...
津田左右吉 「日本精神について」
...わたくしの母は久しい以前からわたくしと同じような生活をしていたのです...
永井荷風 「ひかげの花」
...久しい久しい昔から僕が知っているものだった...
原民喜 「鎮魂歌」
...久しい間作者の心のうちにたくわえられていた...
宮本百合子 「あとがき(『二つの庭』)」
...久しい前の事である...
森鴎外 「独身」
...稲にはことに年久しい観察に養われた...
柳田国男 「海上の道」
...由来(ゆらい)の久しいことかと思う...
柳田国男 「こども風土記」
...日本人が彼等と交際しなくなってからも久しいことである上に...
柳田国男 「年中行事覚書」
...久しい以前より自分はこの人の旧知の家を尋ね...
柳田国男 「雪国の春」
...久しい年月になるが...
吉川英治 「大岡越前」
...久しいことであったな」「あっ...
吉川英治 「大岡越前」
...黙然たるまま主(あるじ)の気はいを待つこと久しい...
吉川英治 「新書太閤記」
...室町幕府の弱体は、余りにも、久しい前から、見すかされていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...愚痴(ぐち)も泣き言もいえずにじっと歯の根を噛んでる姿はすでに久しいものがある...
吉川英治 「新・水滸伝」
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