...ニイチエとは自己に對する評價が丸で反對の立場にありながら...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...これとは丸でしろ物が違つてゐたと云ふ惜しみ氣も出た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...お頭や手は丸で生きている人を標準にして刻んで附けている...
高村光太郎 「回想録」
...丸で方角の違つた方面を指し...
田山録弥 「ある日の印旛沼」
...その発達もすべて丸で違つて来てゐると思ふ...
田山録弥 「黒猫」
...丸で百姓の上さんになつて了つた女は...
田山録弥 「百日紅」
...それで兵主といふものは強ち丸で武の方に關係がないといふことは言へませぬ...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...隅田丸で大川を溯り吾妻橋から浅草公園をあるき...
永井荷風 「来訪者」
...無名丸は無信丸である...
中里介山 「大菩薩峠」
...要するに文芸には丸で無頓着で且つ驚ろくべく無識であるが...
夏目漱石 「それから」
...けれども、そんな理窟を、父(ちゝ)に向つて述(の)べる気は、丸でなかつた...
夏目漱石 「それから」
...従つて三千代の名は丸で口(くち)へは出(だ)さなかつた...
夏目漱石 「それから」
...私などは譜代大名の家来だから丸で人種違いの蛆虫(うじむし)同様...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...丸で預算を立てて物をするといふ考がなかつたのだ...
森鴎外 「半日」
...從つて最近の消息は私には丸で分らなかつた...
森田草平 「「青白き夢」序」
...遺憾ながら事実は丸で正反対……と申上げたいのですが...
夢野久作 「キチガイ地獄」
...今までと丸で違った低い声で...
夢野久作 「支那米の袋」
...時にはその穴がまん丸であることさえもある...
和辻哲郎 「人物埴輪の眼」
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