...彼等に比べれば僕等は丸で品等を異にする上品の人である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...」ハヤブサ丸では...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...△詐僞の行爲である何故に當然古來の村を買上げる必要が萬々あるならば之を天下に示さぬか、是丈の必要があつて萬止むを得ぬから此村を買上げると云ふことを世の中に明に示して、法律を拵へて土地收用規則の用ひられることにして惡いことをしないで大人しく買上げるが政府の仕事である、貯水地と云ふものは土地收用規則にない文字である、此ない文字を用ひて曖昧の間に人民の法律を知らぬのを幸に攪亂して、ドサクサ紛れに人民の所有權其他村全體を補償と名を付けて其實地籍の權利を取つて仕舞ふと云ふことは之は非常なる惡いことである、惡いのみならず其行動と云ふものが何と名を付けて宜しうございませうか、三十五年から當年迄五年の間村に對して堤防を築かないと云ふことを明言すると云ふことは殆ど之は罪人を扱ふのである、谷中村の人民は何の罪があります、如何なる罪があつて五ヶ年前より水責にされるか、少しく滑稽に亙りますが刑法にさう云ふ條文はない、人民を水責にすることはない、殆ど罪人を扱ふ如く五ヶ年間苦めて衣食を絶つて四方八方何方にも遁逃のないやうにして金錢の融通を絶ち、賣買を禁じ、借財に苦しめ食物に苦めて、往場がなく遁げ出す者に餞別同樣の金を與へて、權利は取つて仕舞ふと云ふ詐僞の行爲である、詐僞と云ふことは大きいから見へないのです、直接に之を云へば詐僞取財、詐僞して人の財産を奪ふものである、(拍手)下級の愚民知識の低い人に對して感情を甘く引きますことは上手でございますから、家屋は千兩で買ふ、買つた家屋は呉れるぞ、大層喜んで居る、一旦買つた家屋を貰ふ、補償であるから家屋は呉れるからと云ふのへ以て往つて造るとも賣るともしろと來るから喜ぶ、人は家屋程思ふものはない、田地や何かと違つて金を取つて家を貰ふと云ふから非常に喜んで、田地を安く取られることは氣が付かぬ、丸で手品です、田地の方も矢張其通りに一旦買上げたものを補償であるから其方にやるから立退けと云ふなら宜しうございませうが、田地の方は之が權利を取つて仕舞ふ、其代償がドの位かと云ふと實際の原價からしますと凡そ十五分の一にしか當らぬ、村と云ふものゝ原價、即ち現在に在る所の物に對する實價に比しますと云ふと、三十分の一に足らない位の支拂、斯樣なことで權利を取る、權利を取るが僅の家をやるからと云ふ所で皆釣込まれて田地を取られる、彼方でも此方でも詐僞して居るが、大きな詐僞だから到底人民に分るものでない、餘程能く出來て居ります、中々能く出來て居ります...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...丸で日影がない...
田山録弥 「百日紅」
...ドストイエフスキーとは丸で態度が違つてゐた...
田山録弥 「小説新論」
...君達から行方を聞かれるような――丸で罪人を問うような――」来馬は酒を飲んでいた...
直木三十五 「新訂雲母阪」
...つまり楽(がく)といふ一種の美くしい世界には丸で足を踏み込まないで死んで仕舞はなくつちやならない...
夏目漱石 「それから」
...丸で聯想が浮(うか)ばなかつた...
夏目漱石 「それから」
...彼(かれ)をして卑吝(ひりん)に陥らしむる余地が丸でない程に...
夏目漱石 「それから」
...洋服も寸法を見計らって大丸(だいまる)へ注文してくれ……」「近頃は大丸でも洋服を仕立てるのかい」「なあに...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...静かだツて淋しいツて丸で娑婆でいふ寂寞だの蕭森だのとは違つてるよ...
正岡子規 「墓」
...九年には城の三の丸で...
森鴎外 「栗山大膳」
...丸でだ...
森鴎外 「鼠坂」
...追手の放った一発の弾丸で斃(たお)れたとのことだ...
山本周五郎 「風流太平記」
...おまけに前と比べると丸で生れかわったように饒舌娘(おしゃべり)になってしまってね……そうしてそのうちに...
夢野久作 「支那米の袋」
...仏軍の弾丸ではないようで……近距離から発射された銃弾の貫通創と思います」「……ウム……ナカナカ君はよく見える...
夢野久作 「戦場」
...いくら伊那丸でも...
吉川英治 「神州天馬侠」
...光秀に抱いている感情を秘すことは処女のような蘭丸であった...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??