...旅行先での一番の思い出は、朝日が登る前に背中合わせで見つめ合いながら見上げた海に沈む山並みだった...
...リノリウムの床(ゆか)には何脚(なんきゃく)かのベンチも背中合せに並んでいた...
芥川龍之介 「春」
...紙片は背中合せにつるしてあって...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...これが彼奴(きゃつ)の手品の種なんだよ」「なる程背中合せに当りますね...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...背中合わせの暗黒街がにぎわい始め...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...すると今度は背中合せに腰掛けている若夫人が...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...羽織の裏にしがみついて人間と背中合わせにぶら下がったままで十分以上も動かないでいたねずみの心持ちがわからない事の一つである...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...(其(その)調子は厭(いや)に陰鬱ではあるけれども)殆んどセンセーシヨナルな安つぽい小説と脊中合せをしてゐる様な気も起る...
夏目漱石 「『煤煙』の序」
...お品の家とは背中合せの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...物置と下男部屋とが背中合せになつて居り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そこは二つのしもた屋が背中合せになつて居り...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...全くの背中合せで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...互いの眼をはばかるように背中合せに坐ったまま...
久生十蘭 「金狼」
...それは、すぐ背中合せの、小田原町二丁目の横通りに高い銭湯の煙突が立っていて、風の具合でその煤がこの屋根の上へ落ちるからである...
久生十蘭 「魔都」
...背中合せの断層を見あげ...
牧野信一 「環魚洞風景」
...その霊安室と背中合せに洗濯物にアイロンを当てる工場の大きさくらいある...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...老中合議の工作であって...
山本周五郎 「風流太平記」
...楽屋は近いうちに建築される東亜相互生命保険会社の板囲いと背中合せになっていて...
夢野久作 「暗黒公使」
...「や、この命知らずめ」たちまち、乱離(らんり)の白刃に、わッと揚がる動揺(どよ)み声(ごえ)、不具の虚無僧と女虚無僧は、背中合せに、互の身を庇(かば)い合いながら、七、八人の荒くれ武士を向うに廻して、きっと構えをつけ澄ます...
吉川英治 「剣難女難」
便利!手書き漢字入力検索