...その時緑青色のその切立(きった)ての巌(いわ)の、渚(なぎさ)で見たとは趣がまた違って、亀の背にでも乗りそうな、中ごろへ、早薄靄(うすもや)が掛(かか)った上から、白衣(びゃくえ)のが桃色の、水色のが白の手巾(ハンケチ)を、二人で、小さく振ったのを、自分は胴の間に、半ば袖(そで)をついて、倒れたようになりながら、帽子の裡(うち)から仰いで見た...
泉鏡花 「悪獣篇」
...士官達は一日中ごろごろしていたし...
梅崎春生 「桜島」
...池の真中ごろの処に小波(さざなみ)が立って...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...中ごろから小宮豊隆(こみやとよたか)が仲間入りをして...
寺田寅彦 「柿の種」
...一八三一年の中ごろ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...中ごろから姿を消してしまったが...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...中ごろ大木伯らの模倣民法となり...
穂積陳重 「法窓夜話」
...真夜中ごろ長い休憩となるはずなので...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...徳利の利目(ききめ)がなくって真夜中ごろにしばらく忘れていた激しい痛みを感じだした...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...ま夜中ごろ変化が起るだろうから...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...中ごろ岡西養玄と云ひ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...中ごろ各好む所に從つて死生輕重を決擇するを言ふは...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...東北で養蚕が盛んになったのは江戸時代の中ごろからといってもよいので...
柳田国男 「故郷七十年」
...秋の中ごろだったと思う...
山本周五郎 「青べか物語」
...」印度洋の中ごろで夜毎に若者たちを悩ました沖の青春時代の思い出談の落ちが...
横光利一 「旅愁」
...中ごろ缺卷(卷八 十八...
和田萬吉 「父兄の方々に」
...楓が芽をふき始めるのは四月の中ごろであったと思うが...
和辻哲郎 「京の四季」
...三世紀の中ごろクシャーナ王朝の滅亡とともにいったん中絶し...
和辻哲郎 「麦積山塑像の示唆するもの」
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