...その時緑青色のその切立(きった)ての巌(いわ)の、渚(なぎさ)で見たとは趣がまた違って、亀の背にでも乗りそうな、中ごろへ、早薄靄(うすもや)が掛(かか)った上から、白衣(びゃくえ)のが桃色の、水色のが白の手巾(ハンケチ)を、二人で、小さく振ったのを、自分は胴の間に、半ば袖(そで)をついて、倒れたようになりながら、帽子の裡(うち)から仰いで見た...
泉鏡花 「悪獣篇」
...八月の中ごろであったのだが...
太宰治 「帰去来」
...さすがに明治の中ごろになったらそんな事はなくなり...
太宰治 「惜別」
...「露」はだいたい一首の中ごろの位置に現われ...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...そして夜中ごろまで書きつづけて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...夜中ごろになって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...チーズ製造人らがその牝牛を山中に追いやってしまうのは六月中ごろだそうです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...仏頂寺弥助と中ごろから加わった二人...
中里介山 「大菩薩峠」
...長い袋小路(ふくろこうぢ)の中ごろで...
長谷川時雨 「夏の夜」
...中ごろから姿を消してしまったが...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...大正の中ごろ、永田杢次が死ぬと、ラムネ屋は人に譲った...
火野葦平 「花と龍」
...一九月の中ごろ、ひどく雨が降った或る晩のこと...
水野葉舟 「北国の人」
...」と一郎は言いながら崖(がけ)の中ごろから出ているさいかちの木へするするのぼって行きました...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...私どもの太陽(たいよう)がこのほぼ中ごろにあって地球(ちきゅう)がそのすぐ近くにあるとします...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...私どもの太陽がこのほぼ中ごろにあって地球がそのすぐ近くにあるとします...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...お帰りになるとまた仏勤めをあそばして夜中ごろに昼のお居間で仮臥(かりぶし)のようにしてお寝(やす)みになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「宮様はこの夜中ごろにお薨(かく)れになりました」と泣く泣く伝えた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...室町時代の中ごろには...
柳田国男 「山の人生」
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