...人一倍に苦心をせにゃ人並みの考えが浮かんで来ん...
有島武郎 「親子」
...」と、リンカン並みに、図外(づはづ)れに大きな蹠を鼻先に突きつけようかも知れないから...
薄田泣菫 「茶話」
...ひとつの統制の下に軍全体の足並みを揃えようと主張しているグループのことだと丸万は言った...
高見順 「いやな感じ」
...上海の印象は?」綺麗な歯並みを見せてアビルは微笑した...
高見順 「いやな感じ」
...ポプラの並み木が見え...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...同じくだれ一人見たこともないD公爵令嬢の並み並みならぬ美貌や...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...ジャヴェルは二人の手下とともに大通りの並み木の陰に待ちうけていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...これまたその手つきのあざやかさに、またも関守氏の舌を捲かせ、「うまいもんだ」と言って、思わず感歎すると、がんりきは、こんなことは小手調べの前芸だよと言わぬばかりの面をして、「本来は、この壺皿を左の手にもって、右で振込むやつをこう受取るんでげすが、手が足りねえもんですから、置壺(おきつぼ)で間に合せの、まずこういったもので、パッと投げ込む、その時おそし、こいつをその手でこう持って、盆ゴザの上へカッパと伏せるんでげす、眼に見えちゃだめですね、電光石火てやつでやらなくちゃいけません」左で為(な)すことを右でやり、右で行うことを、また引抜きで左をつかってやるのだが、一本の手をあざやかに二本に使い分けて見せる芸当に、関守氏が引きつづき感心しながら、膝を組み直し、「まあ、委細順序を立ててやってみてくれ給え、ズブの初手(しょて)を教育するつもりで、初手の初手からひとつ――いま言ったその盆ゴザというのは、いったいどんなゴザなんだ、バクチ打ち特有のゴザが別製に編ましてあるのか、いや、まだそのさきに、この場では湯呑が代用のその本格の壺というやつの説明も願いたい」「壺でげすか、壺は、かんぜんよりでこしらえた、さし渡し三寸ばかりのお椀(わん)と思えば間違いございません、雁皮(がんぴ)を細く切ってそれを紙撚(こより)にこしらえ、それでキセルの筒を編むと同じように編み上げた品を本格と致しやす、それから盆ゴザと申しやしても、特別別製に編ましたゴザがあるわけではございません、世間並みのゴザ、花ゴザでもなんでもかまいませんよ、それを賭場(とば)へ敷き込んで、その両側へ丁方と半方が並びます、そうすると壺振が、そのまんなかどころへ南向きに坐り込むのが作法でござんさあ」「まあ、待ち給え、いちいち実物によって……時節柄だから代用品で間に合わせるとして、ここにゴザがある」と言って関守氏は、つと立って、なげしの上から捲き込んだ一枚のゴザを取り出して、それをがんりきの前で展開しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...世間並みに通用するようにと...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...急に脚並みを速めた...
牧野信一 「ゾイラス」
...並みの人ではなくてしばらく自分の祖父になってこの世へ姿を現わしただけの...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...世間並みの姫君らしい宮殿にかしずかれていたならば...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...並みゐる正中(たゞなか)に足踏み伸して臥す...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...並みいる人々をもてなしたかは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...――蒸気河岸はまた静かになり、月の光が明るく、根戸川の水面や、対岸の家並みや、もやってある舟などの上にふりそそいでいた...
山本周五郎 「青べか物語」
...市中大通りはもちろん場末の町々まで門並み新しい紺の暖簾(のれん)...
山本笑月 「明治世相百話」
...並みいる宗匠これにはアッと舌を巻いた...
山本笑月 「明治世相百話」
...軒並みにある旅人相手の店の一つのようなものかと思って来たところ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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