...私は「世間知らず」後のC子氏は存じません...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一月号)」
...それは丁度あなたが「世間知らず」を軽蔑してゐるとお聞きになつたときの不快さと同じだと私は存じます...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一月号)」
...余りと云えば世間知らずの...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何か自分が世間知らずの妻を欺(だま)しているような気がするばかりでなく...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...世間知らずの深雪に...
直木三十五 「南国太平記」
...まだ世間知らずとは言いながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...萬屋(よろづや)さん」「世間知らずの娘が命がけで頼むから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まつたくの世間知らずだつたのです...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...世間知らずの二十一歳だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...「おさんなんてほんとに世間知らずだわね...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「あんたは世間知らずね」とおのぶは太息(といき)をつくように云った、「――そうじゃないの、そうじゃないのよ」そしておのぶはちょっと考えてから続けた、「竜が天へのぼるにも、どの雲でもいいってわけじゃない、のぼれる雲とのぼれない雲があるんですって、竜ともなれば天へのぼれる力はあるんだけれど、それでも足掛りになる雲がなければ、――なによ、なにを笑うのよ」「いいよ」栄二は笑いやみながら片手を振った、「世間知らずが、いきなり竜になったんでびっくりしたんだ」おのぶは両の肩をすくめ、さも「がっかりだ」といわんばかりに、その肩をおとしながら栄二をにらんだ...
山本周五郎 「さぶ」
...「まだ世間知らずだなあ」なぞと悲観するという...
夢野久作 「鼻の表現」
...「――世間知らずにも程があらあ! おめえの手で日本左衛門が召捕れるくらいなら...
吉川英治 「江戸三国志」
...お喜乃の世間知らずに呆れたが...
吉川英治 「治郎吉格子」
...そもそも世間知らずでサ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...世間知らずの坊(ぼ)ンチの癇癪(かんしゃく)だと...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...世間知らずの若い座主と心であまく見ていた慈円が...
吉川英治 「親鸞」
...それにしても、氏(うじ)も素姓もしれない旅の人間を、館へ泊めておくばかりか、朝から酒を出して、傅いている将頼や、この弟たちの、無批判と、世間知らずには、唖然とした...
吉川英治 「平の将門」
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