...だのに私が「世間知らず」を軽蔑したなんと云はれることは本当に意外で御座います...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一月号)」
...ヘルマー どうしてお前のやうな何もわからない世間知らずが――ノラ ですからあなた...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...僕は世間知らずの一介の貧乏画家だし...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...萬屋(よろづや)さん」「世間知らずの娘が命がけで頼むから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あたしは世間知らずだった...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...世間知らずの心に...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...改造が山川均だの、大杉榮だの、あの頃羽振りのよかつたプロレタリア論客の論文を盛んに取り入れ出したのを見てゐた私は、社長兼編輯長の山本は、さういふ思想に共鳴し、さういふ思想の上に自己の精神を樹立してゐるのかと思つてゐたが、それは、世間知らず、人間知らず、編輯者の心知らずの、私の妄想であつたのだ...
正宗白鳥 「編集者今昔」
...それは世間知らずの蒙昧な猴どもで...
南方熊楠 「十二支考」
...お前見たいな世間知らずはよく此那事を覚えて置くものだよ...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...世間知らずの父に仕えながら...
柳田国男 「故郷七十年」
...そういうすさんだ生活をして来た者の中には案外「世間知らず」な人間がいるものである...
山本周五郎 「青べか物語」
...世間知らずのうぶなお嬢さんにみえるかと思うと...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「あんたは世間知らずね」とおのぶは太息(といき)をつくように云った、「――そうじゃないの、そうじゃないのよ」そしておのぶはちょっと考えてから続けた、「竜が天へのぼるにも、どの雲でもいいってわけじゃない、のぼれる雲とのぼれない雲があるんですって、竜ともなれば天へのぼれる力はあるんだけれど、それでも足掛りになる雲がなければ、――なによ、なにを笑うのよ」「いいよ」栄二は笑いやみながら片手を振った、「世間知らずが、いきなり竜になったんでびっくりしたんだ」おのぶは両の肩をすくめ、さも「がっかりだ」といわんばかりに、その肩をおとしながら栄二をにらんだ...
山本周五郎 「さぶ」
...聞くてえとまるっきり世間知らず...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...世間知らずの金持華族や...
夢野久作 「継子」
...それは世間知らずのお人が陥(おちい)りやすい周囲からの誤解と観て...
吉川英治 「私本太平記」
...そもそも世間知らずでサ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...時代錯誤(じだいさくご)な田舎者の世間知らずであった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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