...世間知らずの娘時代に多いことで...
伊藤野枝 「新らしき婦人の男性観」
...そして、私は、わざ/\、醜くい本体を人前にさらし、間違つた道を歩いて行く馬鹿者だ、世間知らずだと、ばかり罵られる...
伊藤野枝 「日記より」
...あの世間知らずの...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...世間知らずのウブな青年のように...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...また私は年齢に比しては世間知らずの青年であったから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...」「世間知らずだからなあ...
平出修 「瘢痕」
...私なんぞのような世間知らずの女が気どらずに申し上げたことが反って何んとなく身にしみてお感ぜられになっただけなのです...
堀辰雄 「菜穂子」
...世間知らずの二十一歳だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...改造が山川均だの、大杉榮だの、あの頃羽振りのよかつたプロレタリア論客の論文を盛んに取り入れ出したのを見てゐた私は、社長兼編輯長の山本は、さういふ思想に共鳴し、さういふ思想の上に自己の精神を樹立してゐるのかと思つてゐたが、それは、世間知らず、人間知らず、編輯者の心知らずの、私の妄想であつたのだ...
正宗白鳥 「編集者今昔」
...わたしたちの世間知らずのために...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第八巻)」
...世間知らずで有るべき年の子は山程積んで目を覚すとから眠るまで読んで居た非常に沢山のお話で...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「おさんなんてほんとに世間知らずだわね...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...そういうすさんだ生活をして来た者の中には案外「世間知らず」な人間がいるものである...
山本周五郎 「青べか物語」
...世間知らずの正さんがひとつになれば...
山本周五郎 「お美津簪」
...「あんたは世間知らずね」とおのぶは太息(といき)をつくように云った、「――そうじゃないの、そうじゃないのよ」そしておのぶはちょっと考えてから続けた、「竜が天へのぼるにも、どの雲でもいいってわけじゃない、のぼれる雲とのぼれない雲があるんですって、竜ともなれば天へのぼれる力はあるんだけれど、それでも足掛りになる雲がなければ、――なによ、なにを笑うのよ」「いいよ」栄二は笑いやみながら片手を振った、「世間知らずが、いきなり竜になったんでびっくりしたんだ」おのぶは両の肩をすくめ、さも「がっかりだ」といわんばかりに、その肩をおとしながら栄二をにらんだ...
山本周五郎 「さぶ」
...それにしても、氏(うじ)も素姓もしれない旅の人間を、館へ泊めておくばかりか、朝から酒を出して、傅いている将頼や、この弟たちの、無批判と、世間知らずには、唖然とした...
吉川英治 「平の将門」
...世間知らずのお人好しとは思わない...
吉川英治 「平の将門」
...世間知らずの明治娘を...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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