...後ろ指をさされないだけの世渡りをして...
有島武郎 「或る女」
...僕が棹(さお)を取り妻が舵(かじ)を取るという小さな舟で世渡りをするのだ...
伊藤左千夫 「去年」
...騙詐(かたり)が世渡(よわた)り上手(じやうず)で正直(しやうぢき)が無気力漢(いくぢなし)...
三文字屋金平 「為文学者経」
...日に日に世渡りするものなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...まともな世渡りをしていないなんて」「それに...
江戸川乱歩 「影男」
...これが抑々(そもそも)当世流の処世法でその方が世渡りには都合がいい...
大隈重信 「福沢先生の処世主義と我輩の処世主義」
...学者のために途(みち)に花を降らさうともしない実世間の世渡りには...
薄田泣菫 「茶話」
...皆多くは漁猟又は船の通行にて世渡ることなれば...
太宰治 「津軽」
...この塩梅にては迚も世渡りは不相成候...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...真面目な世渡が出来なくなつてゐるので...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...それは/\お恥かしい世渡をいたしてをりますの...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...わたしもこれからどうして世渡りをしようかと戸惑(とまど)いをしていたところへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...世渡りの」は底本では「家賃の苦勞をするのも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...孤独に寄り合う村落を見て木枯や何に世渡る家五軒と...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...世渡り上手の小才智人のみが横行する時代...
萩原朔太郎 「童話と教育について」
...世渡りの道の険しさ...
正岡容 「寄席」
...という昔とはちがった世渡り上手のこつを会得させることでもないと思う...
宮本百合子 「女の行進」
...兵法の舵(かじ)をとりても世のなみを渡りかねたる石の舟かも処世の如才(じょさい)に欠けている自分の――いわゆる世渡り下手を喞(かこ)って...
吉川英治 「剣の四君子」
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