...世俗的な父は、その家の名譽の爲に、此事を喜ばなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...もっとも世俗的な浅薄(せんぱく)な考えにのみ焦慮(しょうりょ)致し...
伊藤左千夫 「廃める」
...コケおどしのために世俗的な「権威」者の言葉を持ち出すことは...
戸坂潤 「科学的精神とは何か」
...世俗的な時の流れから現われる文明の経験的与件に累わされることなく...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...却って科学を始めから世俗的な「大衆」のものと考えておかなくてはならないのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...世俗的な実際生活に対して直接関係を有っていないからだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...世俗的な権威についての最もよい理解者の一人であることにもそれは現われている...
戸坂潤 「読書法」
...その素性を糺すと僧侶主義的な生活へ転心(この宗教的な体験の秘密は今日では各種の転向という世俗的な奇蹟として実現しているが)しない内の空しい堕ちた人間生活のことが日常性のことだとする...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...世俗的な虚栄心などに支配せられてはしないと自称しながらも...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...豪放で世俗的なユーゴーを崇敬して居たのと同じである...
萩原朔太郎 「芥川君との交際について」
...来タリウケヨ〉などと受領を強要する世俗的な慰霊祭の真似をするなんて...
久生十蘭 「だいこん」
...むしろかかる紀行の中へかかる世俗的な目的をも加えしかも充分に成功したる楽天の手腕には驚かざるを得ない...
正岡子規 「徒歩旅行を読む」
...第三章いくつかの世俗的な事務と文筆的な事務とが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...細君の世俗的な心のありようとの相異...
宮本百合子 「寒の梅」
...一つの極めて妥協的な世俗的な立身の方へいつの間にやら流れ込んでしまう危険が実に深刻です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...世俗的な)だとかが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ごく世俗的な興味や関心で消費していた点もあったけれど...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どうしても実用という世俗的な面に交ってゆくものであります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
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