...この頃世上に噂の高い...
芥川龍之介 「報恩記」
...世上の多くは、子規子の事業を云々し、子規子の議論を云々し、子規子の製作を云々す、しかれども予をもって見れば、これらの事実をもって子規子を偉人なりというは当らず、何となれば、俳句は元禄に興り天明に進歩し、明治に中興せり、子規子の事業と言わばその俳句中興の主動者たるにあり、その成功も決して小ならずといえども、それをもって子規子を偉人なりといわば偉人なるものはあまりに小なり、その議論においてももちろん偉とするに足るものあることなし、その製作は俳句を主とし写生文、歌、雑筆等なりといえども、主なる俳句についていうも、芭蕉もしくは蕪村に対して、容易にその優劣を定めがたきものあるべし、もちろん芭蕉、蕪村に有せざるものも子規子に多からんが、子規子に有せざるものの芭蕉、蕪村に多きもまた明(あきらか)なり、写生文、歌、雑筆等においては、これを偉人の事業としては、むしろ論ずるに足らずというを適当なりとせん...
伊藤左千夫 「絶対的人格」
...形式派と写実派第七章 茶の宗匠芸術を真に鑑賞することはただ芸術から生きた力を生み出す人にのみ可能である――茶の宗匠の芸術に対する貢献――処世上に及ぼした影響――利休の最後の茶の湯注茶の本第一章 人情の碗茶は薬用として始まり後飲料となる...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...ところが世上一般においては...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
......
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...又決して世上に公にすべき事に非ざれば...
蜷川新 「天皇」
...世上の憎しみが加わって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...世上の物笑ひぢやございませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ついに世上の人をして大いにその徳を蒙らしむるを得ざりしは遺憾と言うべきのみ...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...それゆゑ世上に正弘の病に関して...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...世上の聞えをも憚らずに...
森鴎外 「栗山大膳」
...その処世上に役立つ部分から...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...武門はもちろん世上一般の論議になり...
吉川英治 「上杉謙信」
...すでに呉家と劉家とは、ご婚姻によって、まったく一和同族の誼(よし)みすらある今日、なお久しく借り給うてお還しなきは、世上の聞えにも、将来の御為(おんため)にも、おもしろからぬことかと存ぜられる...
吉川英治 「三国志」
...世上にかくれなしである...
吉川英治 「新書太閤記」
...世上の論議もいかがかと...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そうした街の裏に住んでいると、露八は腹の立つことばかりで、(浅葱裏(あさぎうら)め)と、久しく渇(かつ)えていた軽輩武士が、世上の動揺で、にわかに何事かで獲(え)た金で、あらっぽい消費をする様を、蔑(さげす)まずにいられなかった...
吉川英治 「松のや露八」
...どんな事が世上に起っても...
吉川英治 「源頼朝」
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