...中でも世上に評判が高かったのは...
芥川龍之介 「邪宗門」
...既に処世上、何等確信なき社会の多くが、流行に駆られて今の世にあっては、斯くせねばならぬかの如くに誤解し、日常の要務をば次にして、やれ家庭の趣味じゃ、家庭の娯楽じゃと騒ぎ散らす様であったならば、今の家庭説は徒らに社会に驕奢を勧めたるの結果に陥るのである...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...心弱き者よと世上(せじやう)の人に歌はれん殘念さ...
高山樗牛 「瀧口入道」
...こんな世上一般の動きを考へて...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...世上へ拡まった時...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...何んという言葉を使う」「殿中にても、世上にても、左様に申しております」久光は、手早く、将曹から、幕府へ報告した文面の写しを、取り上げて「この、禀申書の如き、署名は、ただ、将曹一人、藩老の連署が無くて、何故、この藩国の一大事件を、上へ通達するような、軽々しきことをなされました...
直木三十五 「南国太平記」
...何事によらず根もない世上の噂というやつほどいまいましいものは御座りません...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...世上すべて無理解の中にあって...
中里介山 「大菩薩峠」
...世上の紛々たる毀誉(きよ)の如きは...
中里介山 「大菩薩峠」
...私(わし)は悉皆(しつかい)世上(せじやう)の事(こと)に疎(うと)しな...
樋口一葉 「うつせみ」
...「まあ、何ということを! このお人は!」浪路は、心からおこったように、大きな目で、彼を見据えて、「お上の御寵愛が、どのように深かろうと、それが、わたしに何のこと!」と、激しくいって、「そなたは、わたしが、好んで、御殿へなぞ上ったとお思いなさりますの? あの、窮屈で、いかめしい、何のよろこびもない、牢屋のようなところへ――そして、お上が、どんなお方かさえも、御存知なさらぬ癖に、憎い憎い、そのようなことを――」「恐れながら、上さまは、この世のいかなるお方さまよりも、御権威のお方とのみ、存じ上げておりますゆえ、世上の女性方は、あなたさまの御境涯を、お羨み申さぬものとてござりませぬ――そのおん方さまの御愛を、お身お一つにおしめなされていられますあなたさま、こうして、直(じ)き直きお言葉を交していただきますさえ、何とのう辱(かたじけ)なさすぎる気がいたしまして――」雪之丞は、ますます女ごころを、焦(い)ら立たせようとする...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...わが足利家は新田を誅伐(ちゅうばつ)するものと世上へ唱(とな)えろ...
吉川英治 「私本太平記」
...世上沙汰さるる如く...
吉川英治 「私本太平記」
...世上から推察され...
吉川英治 「新書太閤記」
...世上の喧(やかま)しい取沙汰を...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...世上のわらい草となり...
吉川英治 「親鸞」
...一つは世上の価値の差別を撥無(はつむ)することである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...一切の世上の階級の打破のあとに...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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