...世上の大(おおい)なる響(ひびき)に聞くのが可(よ)かろう...
泉鏡花 「薄紅梅」
...「田村君の意見はなか/\正直で、眞實なところがあつて」と、勇は下向き加減の首を動かしながら、「僕等もそこまで行きたいのだが、――處世上だ、ね、――處世上さう率直にやつてゐられないのだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...世上に最もありふれたお祝いの貰い物の家具のただなかから思いもかけず立ちあらわれて...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...また些(いささか)の益する所なきが如しといへどもこれによりてその学が世上の注意を惹(ひ)くに至るあるは疑ふべからざるなり...
津田左右吉 「史論の流行」
...従来世上に陸軍案として発表せられたものは...
戸坂潤 「社会時評」
...軽々しく世上の根無(ねな)し言(ごと)を...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしてまた世上(せじょう)聖人君子が少なき以上...
新渡戸稲造 「自警録」
...兎角世上の噂に上るものですが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...世上の噂の方が大變で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...近来いろいろと世上の有様を見るにつけて...
羽仁もと子 「親子の愛の完成」
...首(こうべ)を回(めぐ)らして世上を窺(うかが)い...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...世上の女性にこころをうごかすようなことはいたしませぬ――」二人は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...世上の軍学者でその名を知らない者はないほど夙(つと)に聞えている大才である...
吉川英治 「黒田如水」
...もとより世上に名利を求める気はありません...
吉川英治 「三国志」
...世上にかくれなしである...
吉川英治 「新書太閤記」
...これでは政府や法律がある世上とは思われない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...世上の噂のように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...世上の風聞もわるい...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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