...世の常の猫ほどもございませうか...
芥川龍之介 「地獄變」
...聖(ひじり)と世の常の人との別もかくやあらん...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...世の常ならぬ恐怖のために...
江戸川乱歩 「鏡地獄」
...世の常の心に超越せよ...
田山録弥 「新しい生」
...我らが同胞のなおひどい世の常をふたりして忘れてみよう...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...共通感覚がなぜ後世の常識の概念の先駆として之に連なるかが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...世の常の父親のように...
永井隆 「この子を残して」
...世の常の醜女に見るような間の抜けた醜さではなくて...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして弁信のように、永久にその眼を無明(むみょう)の闇に向けられているというような不幸な運命に置かれていないで、比較的利口そうな、そうしてぱっちりした眼をもった、世の常ならば、美しいといった方の女の子であるが、頭上から奪い去った黒いものと、身に纏わされた黒いものとが、少女としての華やかさをすべてにわたって塗りつぶして、その小さい手に持ち添えた数珠(じゅず)までが哀れを添える...
中里介山 「大菩薩峠」
...此の女は世の常の女ではなくなる...
中島敦 「妖氛録」
...「それは……」と兎も角此の世の常識に関する限りの世界ではなまなか誰でも一と通りの理由は直ぐに見付けて呉れるんだけれど...
中原中也 「私の事」
...世の常の目出たいずくめの背景の中に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...世の常ならぬ暗さであった...
松永延造 「職工と微笑」
...つれなさは浮き世の常になり行くを忘れぬ人や人にことなるとも書いてある...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...命こそ絶ゆとも絶えめ定めなき世の常ならぬ中の契りをこんな歌を書いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...君がため折れるかざしは紫の雲に劣らぬ花のけしきか世の常の色とも見えず雲井まで立ちのぼりける藤波の花あとのは腹をたてていた大納言の歌らしく思われる...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...また故人も遺骸を始末するのが世の常の営みなのであるから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...世の常の念仏者とは様(さま)かわり...
柳田国男 「遠野物語」
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