...暫しは女の歔欷(すゝりな)く聲のみ聞えてゐたが、丑之助は、其漸く間斷々々(とぎれ/\)になるのを待つて、『汝(うな)ア頬片(ほつぺた)、何時來ても天鵞絨(びろうど)みてえだな...
石川啄木 「天鵞絨」
...八つ丑(うし)の刻ぐらいでもございましたでしょうか? ハテふしぎな! こんな真夜中にだれがいったい話をしているのだろうか? と不審に思いまして耳をすませておりましたところ...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...もう二時……丑三つに近い頃...
豊島与志雄 「オランウータン」
...大正二癸丑(みずのとうし)の年春三月小説『すみだ川』幸(さいわい)に第五版を発行すると聞きて荷風小史すみだ川序わたくしの友人佐藤春夫(さとうはるお)君を介して小山(おやま)書店の主人はわたくしの旧著『すみだ川』の限定単行本を上梓(じょうし)したいことを告げられた...
永井荷風 「すみだ川」
...もう彼れこれ丑刻(やつ)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十三になる伜の丑松は泣いてゐるではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう子刻半(こゝのつはん)過ぎ丑刻(やつ)近い時分でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...若黨の丑松に梯子を持つて來させて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...丑寅の方位に当る南天の樹の祟りであつた...
萩原朔太郎 「易者の哲理」
...そこで天然の民間療法として土用の丑の日に鰻(うなぎ)を食べるということがあります...
村井弦斎 「食道楽」
...少くも丁丑前には九州の地をば踏まなかつたことが明である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...軍律に照らすっ』丑蔵は何か喚(わめ)いて跳びあがった...
吉川英治 「篝火の女」
...すると、丑と三公が、飯を噛み噛み意気込んで来て、「さ、伝公、二升五合賭で来い」と、腕捲りをして前へ立った...
吉川英治 「醤油仏」
...時刻も丑満(うしみつ)をすぎて...
吉川英治 「平の将門」
...逃がしちまえ」丑之助は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「まだッ」丑之助は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それへ坐れ」丑之助は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「何処へ行くだい」丑之助も...
吉川英治 「宮本武蔵」
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