...とかくに不鮮明なのが遺憾である...
淡島寒月 「活動写真」
...心境未だし、デッサン不正確なり、甘し、ひとり合点なり、文章粗雑、きめ荒し、生活無し、不潔なり、不遜(ふそん)なり、教養なし、思想不鮮明なり、俗の野心つよし、にせものなり、誇張多し、精神軽佻(けいちょう)浮薄なり、自己陶酔に過ぎず、衒気(げんき)、おっちょこちょい、気障(きざ)なり、ほら吹きなり、のほほんなりと少し作品を濶達に書きかけると、たちまち散々、寄ってたかってもみくちゃにしてしまって、そんならどうしたらいいのですと必死にたずねてみても、一言の指図もしてくれず、それこそ、縋(すが)るを蹴とばし張りとばし意気揚々と引き上げて、やっぱりあいつは馬鹿じゃ等と先輩同志で酒席の笑い話の種にしている様子なのですから、ひどいものです...
太宰治 「風の便り」
...数十年来この巴里(パリー)の「不鮮明な隅(オブスキュア・コウナア)」に巣をくっている大親分...
谷譲次 「踊る地平線」
...数十年来この巴里の「不鮮明な隅(オブスキュア・コウナア)」に巣をくっている日本老人アンリ・アラキと...
谷譲次 「踊る地平線」
...図柄の不鮮明などは聊かも問題でないばかりか...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...不鮮明なものだった...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...それは極めて不鮮明なもので...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...學者や思想家の立場の相違以外なほ通俗的意義の影響によつて極めて複雜不鮮明なる事態が釀し出されたにも由るが...
波多野精一 「時と永遠」
...もっとも不鮮明なる方法とによって埋葬(まいそう)されていること...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...今日私の手許にも現像至極不鮮明なこの庭園の写真が一枚のこつてゐるが...
正岡容 「下谷練塀小路」
......
三木清 「歴史哲學」
...寅寿の言葉はのろのろとした不鮮明なものだった...
山本周五郎 「新潮記」
...不鮮明な認識の流れはそのまま横に流して朦朧たらしめる訥弁(とつべん)で...
横光利一 「夜の靴」
...輪郭の比較的に不鮮明な...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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