...かの音吐朗々たる不釣合な聲も...
石川啄木 「雲は天才である」
...かさかさに乾いた黄色っぽい顔面とが不釣合に見えた...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...哀愁をたたえた底知れぬ深さの碧眼(あおめ)が不釣合なほど大きく見えて...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...それをかぶっている人の無頓著を装(よそお)う態度には不釣合なほど...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...私の文集の表紙には不釣合である事...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...身分の不釣合(ふつりあい)ということを考えないわけではなかったが...
徳田秋声 「縮図」
...この一年は不釣合いな感じを与えるだろう...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...おまけに身体(からだ)よりも大きな笈(おい)を背負っていることがどうにも不釣合いです...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し離れて例のアメリカ青年と二人の婦人(若い方はキモノを餘り不釣合でなく着てゐた)が別のテイブルを圍んで...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...これ程不釣合なことが又とあるでしょうか...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...提灯に釣鐘ほどの不釣合な相手で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...この仏像を転がし落された不釣合に高い木製の蓮台にも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...五体にくらべて顔ばかりが大変に不釣合なのが奇抜に映つた...
牧野信一 「鬼涙村」
...それに比べて不釣合な容貌の魁偉さ...
牧野信一 「心象風景」
...その鼻緒商の家には大きな蒼々とした桐の木があり私のところの小庭にはそれ丈けが少し不釣合ひな位小高い松ヶ枝が一ともと忍返しの上へもの/\しく聳え立つてゐた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...決して不釣合いなものではないと思われた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...そこには余りに多くの相違と不釣合とがあるからである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...滑稽なほど不釣合に烈しい...
和辻哲郎 「創作の心理について」
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