...不釣合な程高い聲を出して彼に迷惑をかけてくれぬ限り...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...紡績飛白(かすり)の着物を裾短かに着て同じ地の羽織で胸方に細い小い紐を結んだのがそのぬうと高い異様な眼の光りを持つた人には非常に不釣合に見えました...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...かさかさに乾いた黄色っぽい顔面とが不釣合に見えた...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...不釣合(ふつりあい)によい相手を求めようとするところから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その縁談を不釣合とも滑稽とも感ぜず...
谷崎潤一郎 「細雪」
...上半身にくらべて不釣合に短い両脚や...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...私の文集の表紙には不釣合である事...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...いかにも不調和で不釣合いに響くのである...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...不釣合に長い後脚がうしろむきについてるのもをかしい...
中勘助 「銀の匙」
...この不釣合いな相合傘が...
中里介山 「大菩薩峠」
...おまけに身体(からだ)よりも大きな笈(おい)を背負っていることがどうにも不釣合いです...
中里介山 「大菩薩峠」
...少し離れて例のアメリカ青年と二人の婦人(若い方はキモノを餘り不釣合でなく着てゐた)が別のテイブルを圍んで...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...三千二百石と百五十石の縁組は少し不釣合ぢやないか」平次の注意は細かいところまで行屆きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この世にひどく不釣合な...
堀辰雄 「プルウスト雜記」
...それは私の身に不釣合であつたので...
牧野信一 「驚いた話」
...田舎娘の細そりした体に不釣合ながっしり大きい手を眺めながら...
「赤い貨車」
...ただ不釣合だとばかり信じているわけにもいられないように思われる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その婦人の収入と不釣合な生活程度を批判する……と言ったような一種の悪趣味の持主であった...
夢野久作 「少女地獄」
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