...不釣合な程高い聲を出して彼に迷惑をかけてくれぬ限り...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...それが不釣合(ふつりあい)にも野球のミットのような大きさです...
海野十三 「崩れる鬼影」
...この部屋の主には少し不釣合なほど艶(なまめ)かしい...
海野十三 「地獄の使者」
...この鮮やかな不釣合はそれと調和し...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...それをかぶっている人の無頓著を装(よそお)う態度には不釣合なほど...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...私の文集の表紙には不釣合である事...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...不釣合いに厳(いか)つい床や袋戸棚(とだな)などちょっと擬ったところがあった...
徳田秋声 「仮装人物」
...そんなに不釣合いのものじゃないと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...私には不釣合な言葉かも知れませんから...
夏目漱石 「明暗」
...徒(いたず)らに勇のみなる者殆(な)し」第二十二章 感情より出た職業選択職業とこれに従事する者の不釣合(ふつりあ)い世の中を見渡すと...
新渡戸稲造 「自警録」
...提灯に釣鐘ほどの不釣合な相手で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...三千二百石と百五十石の縁組は少し不釣合ぢやないか」平次の注意は細かいところまで行屆きます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その不釣合(ふつりあひ)な熱情を努めて抑へるやうになさい...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...実際この村の四囲とは恐ろしく不釣合な...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...「軽便」の煙突は釜に不釣合に細長くて頂きに網をかむせた盥のやうな恰好のものが載つてゐるので...
牧野信一 「熱海線私語」
...みずから悲しい不釣合な交わりにおいて劣者の地位にたつよりはずっと愉快だと思う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その婦人の収入と不釣合な生活程度を批判する……と言ったような一種の悪趣味の持主であった...
夢野久作 「少女地獄」
...両者の価値の不釣合が遂に作られるのである...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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