...この国のある部分で今でもバターやチーズの加工に使うミルクを鉛の容器に入れ習慣があるのは不適当なことである...
フレデリック・アークム Fredrick Accum 水上茂樹訳 「食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)」
...その元はと云えば私が不適当なM医院を教えたのが悪いのです...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...やはり生存競争には却つて不適当なものと成つてしまふ...
丘浅次郎 「人類の将来」
...不適当な材料でつくってはならないと決心したので...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...此等の学説を、比較検覈して、勉めて公平着実の眼を以て、その何れを取り、何れを捨つ可きや、甲の説は何れの程度まで参酌す可きや、乙の論は如何なる点に於て、不適当なるやを、判別するを要す...
高木敏雄 「比較神話学」
...こう考えてみると「透明人間」という訳語が不適当なことだけは明白なようである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...工合(ぐあい)の悪いのが自分の体のせいでなくて地面の不適当なせいだと思うらしい...
寺田寅彦 「猫の穴掘り」
...甚だ不適当なものであることは...
時枝誠記 「国語学と国語教育との交渉」
...そういう思惟は初めから存在を考えるには不適当な思惟だったことになる...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...ただもうゴマカルことを事としてゐるかの如き現代インテリ界は不適当なものであつた...
中原中也 「思ひ出す牧野信一」
...”不適当な行為は法律に従って罰せられる...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...不適当な時期ですな」士官の表情に...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...完全に不適当なことだと判断させるのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...その鎧兜は小男の私には不適当なものであつたから...
牧野信一 「鬼の門」
...彼らの富に関する限られた不適当な定義から必ずしも生ずるものではなく...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...汝は不適当な物を画いた...
南方熊楠 「十二支考」
...子供の運動には余り不適当なので...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
...おさわがてきぱきしていないから君のような活動家に不適当なところのあるのは僕もわかるが――」片手で例の唇の両端をさわりながら...
「海流」
便利!手書き漢字入力検索