...やはり生存競争には却つて不適当なものと成つてしまふ...
丘浅次郎 「人類の将来」
...もし俳優として不適当な人だったら...
太宰治 「正義と微笑」
...かれの体格が鋤犁を取るには不適当なのを考えてかれは躊躇した...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...そして話しているうちに適当あるいは不適当な機会を捕えてその言詞を吐き出してしまうまでは落ち付く事が出来ないように見える...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...この家の間取りの不適当なことも一つの原因であった...
徳田秋声 「黴」
...そういう思惟は初めから存在を考えるには不適当な思惟だったことになる...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...もし西洋そのままの西洋料理を味おうとしたなら銀座界隈の如何なる西洋料理屋もその目的には不適当なる事を発見するであろう...
永井荷風 「銀座」
...実際僕が不適当なら仕方がないが...
夏目漱石 「坑夫」
...例えばマレーでは子宮内における胎児の位置が不適当なときには正しくするように試みられるが...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...まずもっとも不適当な人格(キャラクテール)である...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...不適当な時期ですな」士官の表情に...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...さうした道具の扱ひに先天的に不適当な性質を知つてゐたから戯れにもそんな物には手を触れたこともなかつたのです...
牧野信一 「舞踏会余話」
...都の酒が僕に不適当なのか...
牧野信一 「僕の運動」
...会田がかつて浅草観音に奉納した算額中に不適当な個所があるから...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...この不適当な選挙方法の欠陥のあらわれのように語られた...
宮本百合子 「一票の教訓」
...おさわがてきぱきしていないから君のような活動家に不適当なところのあるのは僕もわかるが――」片手で例の唇の両端をさわりながら...
「海流」
...白い処(ところ)なんぞは溶けて亡(な)くなるだろう」主人「白い脂肪(あぶら)が溶けて消えるようなのは食用に不適当な下等豚だ...
村井弦斎 「食道楽」
...何でもロース肉に限ると思ってわざわざ直段(ねだん)の高い処を買って不適当な料理にするがロース肉はロースにする時ばかり適当なのでビフテキには不適当だよ...
村井弦斎 「食道楽」
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