...その元はと云えば私が不適当なM医院を教えたのが悪いのです...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...と不適当な食物や運動不足のように個人的なもの...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...今日のごとくに学問の発達した時代から考えるとすこぶる不適当な名前である...
丘浅次郎 「誤解せられたる生物学」
...不適当な材料でつくってはならないと決心したので...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...此等の学説を、比較検覈して、勉めて公平着実の眼を以て、その何れを取り、何れを捨つ可きや、甲の説は何れの程度まで参酌す可きや、乙の論は如何なる点に於て、不適当なるやを、判別するを要す...
高木敏雄 「比較神話学」
...こう考えてみると「透明人間」という訳語が不適当なことだけは明白なようである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...そして話しているうちに適当あるいは不適当な機会を捕えてその言詞を吐き出してしまうまでは落ち付く事が出来ないように見える...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...不適当なものは排出されるからである...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...まったく不適当なこの仕事に努力していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ただもうゴマカルことを事としてゐるかの如き現代インテリ界は不適当なものであつた...
中原中也 「思ひ出す牧野信一」
...既に盛るに不適当な感性が現代にはあると多かれ少なかれ感じられてゐるにも拘らず...
中原中也 「詩と其の伝統」
...例えばマレーでは子宮内における胎児の位置が不適当なときには正しくするように試みられるが...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...完全に不適当なことだと判断させるのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...凡そ君には不適当な――自分の過言だつたから! と自身をたしなめるやうな眼で云ひ直した...
牧野信一 「痩身記」
...(文学として許すべき理窟なりや否やこそ常に疑問となれ)しかれどもわれらの用うる「理窟」なる語が適当なりとか不適当なりとかの疑はあるべし...
正岡子規 「人々に答ふ」
...彼らの富に関する限られた不適当な定義から必ずしも生ずるものではなく...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...会田がかつて浅草観音に奉納した算額中に不適当な個所があるから...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...しかしこういう不適当な代用品でも...
柳田国男 「母の手毬歌」
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