...キンチャコフは、不運にも、ゴンドラが地上に激突したとき、当りどころが悪くて脳震蘯(のうしんとう)を起こし、そのままあの世へ逝(い)ってしまったそうである...
海野十三 「空中漂流一週間」
...不運に遭う度(たび)に恨み言が述べたくなるのだ...
大隈重信 「青年の天下」
...おのれの不運に溜息(ためいき)ついているだけなのである...
太宰治 「畜犬談」
...かれは机に打っ伏して自己の不運に泣かざるを得なかった...
田山花袋 「田舎教師」
...余はついに婆さんの命に従って自転車に乗るべく否自転車より落るべく「ラヴェンダー・ヒル」へと参らざるべからざる不運に際会せり...
夏目漱石 「自転車日記」
...――私は生涯を不運に送つたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この不運に際して悲しむものは...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...過去に数々の不運に出会ったことのある女性の総てと共通したものを持っている...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...あはれ罪なき身ひとつを枝葉ちりちりの不運に...
樋口一葉 「琴の音」
...同じく不運に泣くほどならば原田の妻で大泣きに泣け...
樋口一葉 「十三夜」
...ちょっとした不運に出会い...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...こんな父親はいないでしょう、不運に耐え、立ち向かい、自活している人なんて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...その中ででも源氏を不運に落としおおせなかったことを口惜(くちお)しく思召(おぼしめ)すのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この人までが私の不運に引かれて一地方人となってしまうようなことがないようにと願った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人は不運にのぞまなければ善人にならない」といっている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「一時は、死のうかと、思いましたが、戦ならば、死ねもするが、武家の飯をたべた人間が、飢(う)えや、不運に負けて、路傍で死ぬのも、残念でなりません...
吉川英治 「親鸞」
...不運に出来ているのか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ジュラ紀の間に古きものどもは新たな外宇宙からの侵略という不運にまたも見舞われた――今回は半ば菌糸のような...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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