...從來の樣々な疑惑と混亂とに拘らず不知不識の中に私の人格に凝成した些細な或者を感ずる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...崇拜者の歡呼に浮かされて不知不識いゝ氣になつて納まつて了ふことは先輩に與へられる誘惑の一つである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...此処に来ると三世因縁と言つたやうな不知不識界に対する戦慄を示してゐる...
田山録弥 「西鶴小論」
...不知不識(しらずしらず)其方へと路次を這入(はい)ると道はいよいよ狭くなって井戸が道をさえぎっている...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...不知不識(しらずしらず)眼を細くするような習慣が生じているのであった...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...不知不識の裡に第三の禍惡觀を取れるものゝ例でありますが...
朝永三十郎 「學究漫録」
...物を観察したり書いたりしている態度――仕事の上の一種のポーズ――それの不知不識の現れから起るのではあるまいか...
豊島与志雄 「傍人の言」
...不知不識にのぞきだすのであろう...
豊島与志雄 「傍人の言」
...されば日常の道徳も不知不識(しらずしらず)の間に儒教に依(よ)って指導せられることが少くない...
永井荷風 「西瓜」
...教師といふ職業が不知不識の間に身につけさせる固さ...
中島敦 「かめれおん日記」
...不知不識(しらずしらず)の間にこの問題に触れているのはもちろんでありますから...
夏目漱石 「創作家の態度」
...父母が面白をかしく不知不識...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...不知不識にあらはれてゐるのであつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...後人不識前賢意...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...渉筆に、「遠恥東帰、開業授徒、享和癸亥七月、病麻疹而没、年纔二十五、府下識与不識、莫不悼惜者、親友輯其遺稿若干篇上木、予亦跋其後、小蓮残香集是也」と云つてある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...不識不知(しらずしらず)あまたの幾月を相過(あいすご)し候...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...それが潜在意識となってあの脅迫状の署名に不知不識(しらずしらず)に音羽組なんて茶番をやったのだよ...
山下利三郎 「誘拐者」
...不識庵とは、いうまでもなく、上杉謙信のことである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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