...あのころといわずつい昨今まで僕には自分で自分を鞭(むちう)つような不自然さがあった...
有島武郎 「片信」
...実物でなくて小さな雛形(ひながた)であると信ずることができるとすれば現象は不自然さを失ってしまうはずである...
寺田寅彦 「映画の世界像」
...これらの心理的写実を馬琴や近松のそれと比べてみると後者の不自然さが目立って来るようである...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...わざとらしい不自然さでないだけに...
豊島与志雄 「朝やけ」
...映畫そのものとして見れば原作にこだはつたための不徹底さや不自然さもずゐぶん感じられる...
南部修太郎 「文藝作品の映畫化」
...何の不都合も不自然さも無しに...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...何んの不自然さもなく享(う)け容れられることでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何時までも門口に立っている不自然さに平次は気が付きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分の本來のものを殺してまで衣服の柄の方に顏を合せようとする不自然さになつたりする...
長谷川時雨 「きもの」
...自分の本来のものを殺してまで衣服の柄の方に顔を合せようとする不自然さになつたりする...
長谷川時雨 「きもの」
...僕のいうところに不自然さがなかったためだろう...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...然もそれが道子にとつては左程の不自然さもなく云はれてゐるらしかつた...
牧野信一 「凸面鏡」
...近くなればなるほど近さが強調して感じさせる重吉との距離の不自然さが生々としてサヨを苦しますのであった...
「朝の風」
...種々の不自然さが生じているのが現代社会の一つの悩みであり...
宮本百合子 「音楽の民族性と諷刺」
...列車の震動のこまかい不自然さに...
室生犀星 「陶古の女人」
...ただかかる不自然さが蔓(はびこ)るばかりに...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...ただかかる不自然さが蔓(はびこ)るばかりに...
柳宗悦 「民藝四十年」
...六十代のおちつきとが少しの不自然さもなく一躰(いったい)になっているようにみえた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
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