...此の異様な装身具のために一層不自然さを増して...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...これらの心理的写実を馬琴や近松のそれと比べてみると後者の不自然さが目立って来るようである...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...おかみさんの東京下町人らしい不自然さ...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...少しの不自然さもなかったので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「探偵小説」に於て自然であるということは、その不自然さ、誇張が極めて現実性に富んでいなくてはならない...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...何の不都合も不自然さも無しに...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...何時までも門口に立つてゐる不自然さに平次は氣がつきました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何時までも門口に立っている不自然さに平次は気が付きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分の本来のものを殺してまで衣服の柄の方に顔を合せようとする不自然さになつたりする...
長谷川時雨 「きもの」
...僕のいうところに不自然さがなかったためだろう...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...然もそれが道子にとつては左程の不自然さもなく云はれてゐるらしかつた...
牧野信一 「凸面鏡」
...生活の不自然さが罪多く呪はれて...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...もつと短かい実用の文章の方に早くこの実行が現れなかつたのは、「型」が半ばは記号の性質を持つてゐて、人々の心に通じるものが有り、それの不自由さ、不自然さ、不完全さに対する覚醒が起らなかつた故であらう...
水野葉舟 「言文一致」
...種々の不自然さが生じているのが現代社会の一つの悩みであり...
宮本百合子 「音楽の民族性と諷刺」
...わざわざ恐ろしがらせよう自分でないように見せようとする不自然さがかえって源氏に真相を教える結果になった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...不自然さの勢いが醜い支配に(おご)っている...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...そんなような先生のお言葉にもさほどの不自然さを感じませんでしたばかりでなく...
夢野久作 「少女地獄」
...そこに少しの淋しさも不自然さもなく...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??