...なにやら不穏な不安な暗澹たるものがその広間中一杯に漲つて写つてゐた...
高田保 「貸家を探す話」
...多少不穏な空気が動かないでもなかつたが...
種田山頭火 「其中日記」
...その不穏なる精神の沸騰する所...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...所謂不穏文書の他に不穏な私信や会話までをも含めようとしたのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...不安な不穏な空気が濃くなりました...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...いずれもかなり不穏な面(かお)つきをしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...前もって同族の不穏な計画を知っていたものにちがいなかった...
中村地平 「霧の蕃社」
...京都に集まった薩摩(さつま)の勇士の挙動はなはだ不穏なりと聞き...
新渡戸稲造 「自警録」
...なんらの不穏な働きかけはなかった...
火野葦平 「花と龍」
...こんな天候が不穏なのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...不穏な空気が残っていた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...不穏な気勢をあげている――」と...
吉川英治 「三国志」
...あまっさえ不穏な行動に出んとする空気すらうかがわれたので...
吉川英治 「三国志」
...不穏な声をきくとすぐ兵をやって...
吉川英治 「私本太平記」
...で、そう二者の往来が、二者のあいだに止まっているなら、世人も何らこれを疑う理由もあるまいが、ふたりの会合ごとに、必ずそこには滝川一益も加わっていることが記憶されるについて、(また何のお顔寄せか)と、意味ありげにそれを見、(秀吉退治の相談が、ぼつぼつ進んでいるものとみえる)などと早くも、不穏なうわさと、その実現が、この夏中にもあるようにいわれ出していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...不穏なうごきが見えぬでもない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...不穏な謀(たくら)みがあると聞けば...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...船員の不安が高まって相当不穏な気勢も現われたらしい...
和辻哲郎 「鎖国」
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