...そしてそれが結局小作人らにとって不為めにはならないのを小作人たちは知りぬいているらしかった...
有島武郎 「親子」
...決(け)して早瀬さんのお世帯の不為(ふため)になるような事はしませんですよ...
泉鏡花 「婦系図」
...一も二もなく否決に雷同するが如き代議士は国家の不為と奉存候間今回は是非共実業に慧敏なる沈着家を御撰出相成様尽力被下度為国家奉企望候頓首...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...どう考えても不為(ふた)めを謀(はか)る者の態度ではない...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...かえって旦那の不為(ふため)だ」平次は小声でたしなめて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その女の不為合せな境涯を話してきかせた...
堀辰雄 「曠野」
...まったく不為合せなものとなった...
堀辰雄 「曠野」
...――そうしてこの不為合せな女...
堀辰雄 「曠野」
...その祈る心も只「大へん私は不為合(ふしあわ)せでございました...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...まるで人の不為合せになった方が自分の気に入るみたいじゃないか……...
堀辰雄 「菜穂子」
...人間は不為合のあるものでございますね...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...幸(さいわい)をも不為合(ふしあわせ)をも...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...数正の不為(ふため)を意に介さないならば...
吉川英治 「新書太閤記」
...法令にたてつくようなことが官へ聞こえては上人のお不為(ふため)になるで」「それとなくご注意申しあげて来ます」善恵房が...
吉川英治 「親鸞」
...世間へ噂いたされては後日の不為(ふため)であろう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...騒ぐとかえってお前のほうの不為(ふため)だからね」家の中でそういう声の裡(うち)に笑いが含んでいた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...かえって頼朝の不為(ふため)だし...
吉川英治 「源頼朝」
...お互いの不為(ふため)...
吉川英治 「宮本武蔵」
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