...初めわれ不測の禍のために母上を喪(うしな)ひまゐらせき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...不測の危害を与うるようなことはないものである...
石田孫太郎 「猫と色の嗜好」
...此日の薄暮頃に奈々子の身には不測の禍があつた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...吾人の家庭と社会とに屡(しばしば)不測の惨禍を起して其調和を失うことを免れず...
関寛 「関牧塲創業記事」
...余はさながら不測の運命に魘(おそ)われて悄然(しょうぜん)として農夫の顔其まゝに言(ものい)わぬ哀愁に満ちた自然の面影にやるせなき哀感(あいかん)を誘(さそ)われて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...動もすれば佞嬖の小人に擁せられて不測の過失に陷ること少なきに非ず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...動もすれば佞嬖の小人に擁せられて不測の過失に陥ること少なきに非ず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...何しても絶代の明師が不測の難に遭(お)うて遠流(おんる)の途に上るのだから...
中里介山 「法然行伝」
...不測の死が待受けているかもしれぬとは考えていたけれども...
中島敦 「李陵」
...評議最中にも不測の難題指起可申...
福澤諭吉 「御時務の儀に付申上候書付」
...不測の突発事態だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...一切の矛盾を人智不測の外に置こうとした...
柳田国男 「山の人生」
...却って我が国の方途に不測の禍害のもたらさるべきであろうことを思ったので...
山本実彦 「十五年」
...いやでも物音をあげなければならなかった不測の事です...
吉川英治 「江戸三国志」
...「不測の大難が湧きました...
吉川英治 「三国志」
...徳川家の藩塀(はんぺい)として、ここに一城を築きまするにも、一朝一夕(せき)のことではなく、藩祖浅野采女正の勲功(くんこう)、以後代々の忠誠に依り、御恩遇を蒙(こうむ)りましたこと、亡君内匠頭に於ても、夢寐(むび)のまも忘れ居らず、常に、臣等を勉め励まし、ただ御奉公一途に専心いたしおりましたに、不測の不調法、残念至極にござります...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...途上に不測の事でもあれば...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...何とかして」「不測の天災と思うてあきらめるのだな」「旦那がそうお覚悟ならばようございますが……だが...
吉川英治 「梅里先生行状記」
便利!手書き漢字入力検索