...不浄な売婦(ばいた)めが...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...浅草溜(だめ)といって不浄の別荘地――これは伝馬町(でんまちょう)の牢屋で病気に罹(かか)ったものを下げる不浄な世界――そのお隣りが不夜城の吉原です...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...久しく不浄なる人物に依て攪乱せられたりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼が貧しい人々や所謂不浄な人々と共に食卓に就いて...
豊島与志雄 「文学以前」
...不浄なものをいやがり怖れることが普通以上なのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...美玉を愛蔵する者がその珠(たま)の表面(おもて)に不浄なるものの影(かげ)の映るのさえ避けたい類(たぐい)なのであろう...
中島敦 「弟子」
...他人の泣きを悦(よろ)こぶ不浄な銭(ぜに)で買ったのだと...
長谷川時雨 「最初の外国保険詐欺」
...不浄な精神が喜ぶだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...在役中の不浄な財宝まで...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...神や仏にでも思っていることを言って咎(とが)や罰を受けはしないじゃないか」こう言って衛門督は絶対に不浄なことは行なわないという誓いまでも立てて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...このことは作者の不浄な野心や慾望を拭い去って...
柳宗悦 「民藝の性質」
...この霊域に不浄な何ものをも近づけない勢いを示しているのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...日本人に対する東京の不浄な使命茲(ここ)に於て...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...三等列車に乗ったのよりもズット楽な気分で寝ている事が出来ますからまことに重宝で……件(くだん)の燐光を放っておる不浄な皿は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...血統の不浄な貧しい勘次の父の請いを拒絶した所...
横光利一 「南北」
...不浄な浮かれ女(め)の手に...
吉川英治 「親鸞」
...「石念(じゃくねん)ではないか」「は……はい」「何しておる」「……私は……お師さま! ……御庵室の床(ゆか)に上がれない不浄な人間でございます...
吉川英治 「親鸞」
...その前方には悪夢めいた暗い虹色の可塑的な円柱が腐臭をまき散らしつつ直径五メートル(*38)の膿瘻いっぱいにじくじくと広がり不浄なる速度を加え進路上には再び募り行く青白い深淵の蒸気が螺旋を巻いていたのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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