...浅草溜(だめ)といって不浄の別荘地――これは伝馬町(でんまちょう)の牢屋で病気に罹(かか)ったものを下げる不浄な世界――そのお隣りが不夜城の吉原です...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...そんな不浄なお金を受け取ると思ふか...
太宰治 「清貧譚」
...不浄な心を出さないようにお休みなさいませ...
田中貢太郎 「立山の亡者宿」
...彼が貧しい人々や所謂不浄な人々と共に食卓に就いて...
豊島与志雄 「文学以前」
...不浄な場所のような気が致します...
豊島与志雄 「霊感」
...不浄なものをいやがり怖れることが普通以上なのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...もし不浄な体だったら...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...不浄な精神が喜ぶだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...だれよりも求道(ぐどう)心の深い薫にとっては不浄な思いは現わすべくもなく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どうしてひと言も知らせてくれなかったの」「おれはお上(かみ)の不浄な繩にかかった躯だ」「栄さんの罪じゃないでしょ」栄二は顔をひき緊めた...
山本周五郎 「さぶ」
...「石念(じゃくねん)ではないか」「は……はい」「何しておる」「……私は……お師さま! ……御庵室の床(ゆか)に上がれない不浄な人間でございます...
吉川英治 「親鸞」
...不浄な血でもながすようなことがあったら……」同じ大工仲間ではあったが...
吉川英治 「親鸞」
...不浄な血と死骸を積んで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...不浄な者はございませぬぞ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...不浄なこともないように...
吉川英治 「宮本武蔵」
...撲(なぐ)るぞっ』『若い娘なぞ、引ッ張りこんで、私を、不浄なんて、口惜しい、離すものか……』『うぬ、出て失せぬか』『出て行って、たまるものか』『よしっ』清麿は、力まかせに、突き出した...
吉川英治 「山浦清麿」
...その前方には悪夢めいた暗い虹色の可塑的な円柱が腐臭をまき散らしつつ直径五メートル(*38)の膿瘻いっぱいにじくじくと広がり不浄なる速度を加え進路上には再び募り行く青白い深淵の蒸気が螺旋を巻いていたのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...ある印象が確実に煩わしい形を取るようになってきて――私は自分の健忘症が何らかの不浄な交換によるものだという考えをいつまでも抱くようになっていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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