...田舎の医師の不注意から静脈を外(はず)れて...
有島武郎 「小さき者へ」
...しかしこれは不注意からのことであるが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...運わるく彼の挨拶がむかうの不注意からそのひとに通じなかつたときや...
太宰治 「猿面冠者」
...夫は彼女の枕許(まくらもと)で彼女が夫の不注意からこう云う大患になったことを詫(あやま)りましたが...
谷崎潤一郎 「途上」
...そうして九九プロセントまでは人間自身の不注意から起こるものであるというのは周知の事実である...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...(明治四十一年三月六日『東京朝日新聞』)六十五過失より起る火災放火や悪戯(いたずら)より起る火災は人の不注意から起る火災に比すればほとんど云うに足らぬ少数であるそうな...
寺田寅彦 「話の種」
...読者に不親切な訳文と不注意からくる誤植は眼にあまる...
戸坂潤 「読書法」
...不注意からかあるいは――ことによると――意地悪なからかいからか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分のやり口はただの不注意から...
夏目漱石 「手紙」
...ふとした不注意から...
新美南吉 「丘の銅像」
...ちょっとした不注意から...
羽仁もと子 「女中訓」
...この災害は汝自身の不注意から自ら招いたものであるから...
穂積陳重 「法窓夜話」
...その恐しい様子に手の出し様のないお節は顔をそむけて自分の不注意から出来たこの事を悔む涙にむせんで居た...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...一二辞句の明らかな誤謬――当時の無智や不注意からをかしたものを訂正した外...
三好達治 「測量船拾遺」
...つまり料理の不注意から起るのですね」と何気なく言いしを子爵は胸に応え「中川さん...
村井弦斎 「食道楽」
...その癖わざとしたと云つても好いやうな不注意から...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森林太郎訳 「駆落」
...みんな私の不注意からなのよ...
矢田津世子 「罠を跳び越える女」
...私の不注意からとんだ御迷惑を……」「しかしとんでもない奴があれば在るものですな...
夢野久作 「少女地獄」
便利!手書き漢字入力検索