...不明瞭なる把握の代りに確なる本能の觸知を置いたところに...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...粗雑な不明瞭な重ね写真に過ぎない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...極めて不明瞭な調子で...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...誰も助けに来るものはあるまいよ」不明瞭な声が...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...それが、不明瞭な発音で、自分だけに分ればよいと云う気持で云われるのであるから、一度や二度ではなか/\聞き取りにくいのであるが、ちょうど一二年前に彼が畜生塚のほとりへ小屋を造って住み出してから、長い間常に同じことを云っているので、いろ/\な人がその文句を聞いた上でたしかめられた...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...その折りまでに事件に依然として残っている若干不明瞭な点をみな洗ってしまいたい...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...その意味に至ると吹い子の何とかよりも一層不明瞭な文句である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...何しろ面喰って居たらしいから」「指紋は?」「拳銃(ピストル)には不明瞭な若菜の指紋があるだけで...
野村胡堂 「音波の殺人」
...意味不明瞭な微かな微笑をもらしながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...俺はもうこれで失敬する」と意味不明瞭なことを口走ると...
久生十蘭 「魔都」
...観念が不明瞭な場合は...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...全く重要ではなく不明瞭な言葉を度々使用した後でも...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...わとみとなとりとのききわけが出来ない程に不明瞭なり...
平出修 「公判」
...不明瞭なのでアイダには意味が分らない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...」辰男は低い錆(さ)びた聲で不明瞭な返事をして...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...ばあばあ」こういう意味不明瞭なことをいいながら...
山本周五郎 「百足ちがい」
...しかも、それはいかなる政治上の運動にも、いかなる生活の転換に於ても、また、いかなる他国の思想の移植のときに於ても、この不思議な、不明瞭な、しかも、無類に誠実な精神の活動が、影響してやみません...
横光利一 「我等と日本」
...その不明瞭な態度を補うように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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