...不明瞭なる把握の代りに確なる本能の觸知を置いたところに...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...粗雑な不明瞭な重ね写真に過ぎない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...階下の一室へ通されると、彼は何よりも先に、何度も聞き返さなければならない、不明瞭な言葉で、こんなことをたずねた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...話は自然須磨に及んで居士はやや不明瞭な言葉で暫く楽しく語り合った...
高浜虚子 「子規居士と余」
...私はこの意味の不明瞭な手品に見入っていた...
谷譲次 「踊る地平線」
...彼は妙にきざっぽく齒で濾しをかけるような不明瞭な發音で...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...しかしごく緩慢な周期をもって意識の明瞭なときと不明瞭なときが交互にくるのを自分でも気がついてる様子だった...
中勘助 「妹の死」
...不明瞭なるものではないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...頭脳(づのう)の不明瞭な所から...
夏目漱石 「それから」
...この代物(しろもの)は欅か桜か桐(きり)か元来不明瞭な上に...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...俺はもうこれで失敬する」と意味不明瞭なことを口走ると...
久生十蘭 「魔都」
...より不明瞭な観念を構成する機能を意味する...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...自分では東京へ行ってみたいとも思わんのかな」「行けりゃ行ってもいいけど……」辰男は低い錆(さ)びた声で不明瞭な返事をして...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...」辰男は低い錆(さ)びた聲で不明瞭な返事をして...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...しかし事実がそんなに不明瞭な中で屋敷も軽部も二人ながらそれぞれ私を疑っているということだけは明瞭なのだ...
横光利一 「機械」
...答えはいたって不明瞭なので...
横光利一 「夜の靴」
...」「それや何んだい?」と久慈は不明瞭な矢代の云い方に腹立たしげに云った...
横光利一 「旅愁」
...その不明瞭な態度を補うように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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